ヴュリー・ルージュ

表面を赤ワインで磨いた個性派ハードタイプ。「ヴュリー・ルージュ」

ヴュリー・ルージュ

スイスにはウォッシュタイプのチーズのように表面を塩水やお酒で磨いたハードタイプのチーズがいくつかありますが、ヴェリー・ルージュもそのひとつ。表面をワインで磨いて熟成させた結果、赤銅色の表皮を持つ香り豊かなチーズが生まれたのです。

美味しいチーズを作ろうと頑張った結果……

スイスの西部にあるヌーシャテル湖とモラ湖の間の丘陵地、クレシエで生産されているヴュリー・ルージュはハードタイプのチーズです。比較的新しいチーズで、誕生は1990年代。もともとエメンタールを作っていた会社が「エメンタールは産地で作るべきではないだろうか」と考え、スイス西部が原産であるグリュイエールに生産をきりかえ、さらに「もっとおいしいチーズを作れないだろうか」と試行錯誤した結果つくりだしたのが、モラ湖の南斜面で栽培されるピノノワールのワインで表面を磨き、湿度の高い熟成庫で熟成をさせたヴュリー・ルージュなのです。直径約30cm・重さ5~7kgもあるので小さくカットされて売られるのであまり知られていませんが、表面にはブドウと銅鍋のモチーフが刻まれていて大変おしゃれなデザインでもあります。生産が始まってすぐのころから、数々のチーズコンクールに入賞して話題を集めてきましたが、2006年にスイスで最も権威あるチーズコンクール「スイスチーズアワード」でチャンピオンに輝き、一躍有名になりました。

熟成によって得られる濃厚な風味

ヴュリー・ルージュはワインで表面を磨いたうえで熟成していますので、ハードタイプでありながら、表面からは強い発酵臭がします。これはなぜか「焼いたお味噌の香り」と例えられることが多く、日本人にとってどこかなじみ深い香りのようです。味はねっとりと濃厚で、豆腐の味噌漬けを濃厚にしたような味がします。ウォッシュタイプの特徴を持つチーズは外国産のチーズに食べなれていないとなかなか美味しく感じられませんが、ヴュリー・ルージュは香りも強いし味も濃厚ですがチーズ初心者にも受け入れられやすいようです。

白ワインや日本酒のお供にどうぞ

ヴュリー・ルージュは香りも強く味も特徴がありますから、そのまま食べるのが一番おいしさを感じられるでしょう。かなり濃厚な味ですので、パクパク食べるよりは薄くスライスしてゆっくりと食べてみてください。ヴェリー・ルージュは熟成の度合いによって3段階に分けられて販売されていますが、日本に入ってくるのは25~52週ていど熟成されたものが多いようです。ワインに合わせるならば、赤よりも濃厚な白ワインがお勧め。また、お味噌のような香りと味がすることから、日本酒や焼酎にも合います。上の項でも書きましたが、豆腐の味噌漬けとよく似た風味を持っていますので、ちょっとわさびを添えても美味しいかもしれません。また変わった食べ方としては、少し火を通してとろりとしたところにキュウリをつけてたべる、という方法があります。これはモロキュウのチーズ版といった感じでしょうか。キュウリのみずみずしい風味がチーズの濃厚な風味をうまく受け止めてくれます。クラッカーやパンに乗せるより美味しいかもしれませんよ。またヴぇルー・ルージュは保存が効くチーズですが、乾燥が大敵。冷蔵庫で保管をする場合は密閉できる容器に入れましょう。