ヴェント デスターテ

夏の風という名の干し草の匂いのするチーズ「ヴェント・デスターテ」

ヴェント デスターテ

チーズといえば味だけでなく独特の醗酵臭がするものや、ハーブの香りのするものなど匂いのバラエティにも富んでいますね。ヴェント・デスターテは爽やかな干し草の匂いのするチーズ。夏の風というロマンティックな名前もついています。

夏の情景が思い浮かぶチーズ

夏の思い出、というと海水浴や花火といっしょに夏草の匂いを挙げる方も多いのではないでしょうか。ちょっと青臭く、でも胸がすくような香りですよね。ヴェント・デスターテはそんな草の匂いが付いたチーズです。その誕生は意外と新しく20世紀も終わりに近くなってからイタリアのヴェネト州トレヴィーゾ県で生産が始まりました。このチーズを作ったアントニオ・カルペネード氏は1970年代に、一度は生産が途切れていた酔っ払いチーズ(ワイン滓の中にチーズを漬けこんで発酵させる製法のチーズ)を復活させたとして有名な方です。ある夏の日、奥さんと共に山歩きをしていたカルペネード氏は干し草をたくさんのせた馬車とすれ違いました。その干し草があまりにも良い香りだったので、カルペネード氏は何とかこの香りをチーズに移したい、と考えて試行錯誤を繰り返しました。その結果生まれたのがこのヴェント・デスターテです。日本語に訳すと「夏の風」。まさに夏の情景が思い浮かびそうな香りのするチーズなのです。

ワイン樽で干し草と共にチーズを熟成。

ヴェント・テスターテの原料は、地元で作られる牛の生乳を原料としたラッテリアというチーズです。それを2か月間熟成させたものを、あらためてオーク樽の中に干し草とクルミの葉をいれたものの中で熟成するのです。こうして出来上がったセミハードタイプのヴェント デスターテチーズはまさに夏の風のような干し草の香りがするチーズです。出荷の際には熟成に使われた干し草もついたまま出荷されますので、取り除いて食べましょう。

香りを楽しむには常温でしばらくおくことがポイント

ヴェント・デスターテは冷蔵庫から出されたばかりの時はそれほど匂いが強くありません。干し草の香りを楽しみたかったら、1時間ほど常温で置いておきましょう。次第にチーズが柔らかくなり、香りが立ってきます。チーズの香りというとどちらかといえば苦手な方が多いですが、このチーズの香りはひたすら爽やか。ハーブをたっぷりまぶしたチーズよりもマイルドなどで万人受けします。一口食べれば爽やかな香りが鼻腔へと抜けた後に、甘いミルクの旨みが口いっぱいに広がるでしょう。

日本茶にも合う?

ヴェント・デスターテは味とともに香りも楽しむチーズですから、料理に使うよりもそのまま食べたほうが良いでしょう。薄く切り分けて粒胡椒をふるとピリッとしておつまみ向けの味になります。ワインを選ぶのなら、同じ州で作られた白ワインを選ぶとよいでしょう。かすかに日向の匂いのする白ワインは、チーズの干し草の香りをより引き立てます。そして、意外なことにヴェント・デスターテは日本茶と合わせても美味しい、と言われています。かすかに青臭い草の匂いが、日本茶の香りとマッチするようです。日本茶とチーズという組み合わせは斬新ですが、ぜひ試してみてください。新しい美味しさを発見できるかもしれません。尚、表皮についた干し草が取れにくい場合は包丁で表皮ごと削りましょう。

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