トゥーマ・ドゥラ・パーヤ

すべてのミルクの美味しさが詰まったチーズ「トゥーマ・ドゥラ・パーヤ」

トゥーマ・ドゥラ・パーヤ

チーズの原料には牛、ヒツジ、ヤギの生乳ですが、チーズの中にはそれらの生乳を混ぜ合わせて作られる「混乳性チーズ」というものもあります。トゥーマ・ドゥラ・パーヤもそのひとつ。なんと牛、ヒツジ、ヤギのすべてのミルクを混ぜ合わせて作られた贅沢な一品です。

小さいという意味のチーズ

トゥーマ・ドゥラ・パーヤはイタリアピアモンテ州にあるオッチェリ社が製造しているチーズです。オッチェリ社といえば日本ではバターで有名な乳製品の会社ですが、この会社の代表者、オッチェリ氏は1970年代~80年代にかけてピエモンテ州で長年チーズを作り続けてきた方々からチーズのレシピを聞き取り、それをもとに自社オリジナルのチーズを開発し続けてきました。オッチェリ氏がいなかったらそのまま消えてしまったチーズが何種類もあったに違いありません。オッチェリ氏はイタリアの伝統食品の守り手でもあるのです。トゥーマ・ドゥラ・パーヤもピアモンテ州で古くから作られたチーズに独自のアレンジを加えたもの。トゥーマとはピアモンテ州の方言で「小さい丸型のチーズ」という意味、パーヤをは「わら」という意味です。その名の通り手のひらサイズの可愛らしいチーズで、わらの上で熟成され、出荷されるときはわらで十文字に縛られるというオシャレなチーズです。

混合乳ならではのおいしさ

日本ではチーズというと牛の生乳で作られたものがほとんどですが、ヨーロッパではヤギやヒツジの生乳で作られたチーズも数多く存在します。それぞれの生乳には独自の特徴がありますが、それらを混ぜ合わせたもので作られたチーズは、すべての生乳の長所がうまい具合に現れた独特の美味しさがあります。トゥーマ・ドゥラ・パーヤや、分類上はシロカビタイプのチーズで、平べったいカマンベールのようにも見えますが、カマンベールにはないクリーミーさとコク、かみしめるとかすかに感じる独特のクセが特徴です。熟成が進むにつれて中がトロトロにとろけてきますが、ウォッシュタイプほどでもなくそのまま切り分けて美味しく召し上がれます。

そのまま食べる他、野菜につけても

トゥーマ・ドゥラ・パーヤはヤギの生乳も使われていますが、シェーブルタイプのチーズほどクセがなく、塩味も控えめで個性が薄めのチーズです。そのまま食べても美味しですが、野菜の上に乗せて軽くあぶったり、豚肉や鶏肉の上に乗せて一緒に焼いても美味しいでしょう。お酒と合わせるならば、ピエモンテ州の赤ワインが良く合います。また、チーズは元々保存食ですから、数か月、時には数年間たってもたべることができます。しかし、
トゥーマ・ドゥラ・パーヤは、シロカビタイプのチーズにしては珍しく賞味期間が短いのです。しかもイタリアから空輸されてきているので、店頭に並んだ時点で熟成は結構進んでいるものと考えましょう。「熟成が進んだチーズのほうが好みだから、冷蔵庫でしばらく寝かしてから食べよう」などと考えると食べごろを逃してしまいますよ。一番の食べごろは、ナイフを当てると中身がとろりと溶けだしそうなころです。触ってみて十分にやわらかいのならば、できる限り早く食べてしまいましょう。手のひらサイズですから少人数でも一度で食べきれるのもうれしいですね。

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