サルヴァ・クレマスコ

素朴な外見に繊細な旨みをもつチーズ「サルヴァ・クレマスコ」

サルヴァ・クレマスコ

チーズは今でこそオシャレな食べ物のひとつになっていますが、100年ほど前までは冬を乗り切る保存食でした。ですから、あまり見た目が良くないチーズもたくさんあったのですね。サルヴァ・クレマスコはそんな保存食の時代のチーズを思わせる素朴な外見に、繊細な旨みを持つチーズです。

保存するという名前を持つチーズ

サルヴァ・クレマスコはイタリアのロンバルティア地方で作られているウォッシュタイプのチーズです。イタリアというと穏やかで温暖な気候というイメージがありますが、ロンバルティア地方はスイスと国境を接しているため、冬は厳しい寒さに見舞われます。サルヴァ・クレマスコはこの地方の言葉で「保存する」「救う」という意味を持つ「サルヴァーレ」が名前の由来。食べ物が極端に少なくなる季節、このチーズが人々の命をつなぐ大切な食糧だったことがよくわかる名前ですね。

ウォッシュタイプだけれど、ハードチーズのような外見

一般的なウォッシュタイプのチーズはとろりとしていますが、サルヴァ・クレマスコは75日以上と長めに熟成させていることもあり、まるでハードタイプのチーズのような見た目です。表皮は薄茶色でごわっとしていてところどころに自然のカビが生えています。まるで使いこんだ革製品のようですが、内部は一転して乳白色でポソポソとしています。そして一口食べればミルクの優しい甘みが口いっぱいに広がります。その繊細な味わいは武骨な外見からは想像ができません。ウォッシュタイプのチーズというと独特のにおいや味のクセがあり、チーズに食べなれた人向けという感じですが、サルヴァ・クレマスコはミルクの味が前面に出ているチーズですので外国産のナチュラルチーズは初めて、という方も食べやすい味です。

オイルとの相性もばっちり

サルヴァ・クレマスコは油との相性の良いチーズとしても有名です。チーズは元々長期保存できるものですが、さらに保存期間を延ばすために、このチーズをオイルにつけた「ストラッキーノ・クレマスコ」という商品もあります。チーズはもともと脂肪分の多い食べ物ですから、それをさらにオイルにつけるなんて油っぽくなりすぎるんじゃないかと思われがちですが、このチーズの独特の酸味とオイルの甘みが以外にマッチするんですよ。でも、オイルに長期間使ったチーズはやはり食べる人を選ぶものなので、オイルとチーズの相性を確かめたい方は、サルヴァ・クレマスコに新鮮なオリーブオイルを数滴たらして食べてみてください。チーズの酸味とオイルの甘み、オリーブの香りが混ざり合って素敵な前菜に早変わりしますよ。

熱を通しても美味しい

一般的なウォッシュタイプのチーズはトロトロとしたものが多いですから、そのまま食べるのが一番おいしい方法です。でも、サルヴァ・クレマスコはハードタイプのチーズのようにしっかりとしていますから、熱を通してもドロドロに溶けることなく、美味しくいただけます。表面を焦げるくらい焼いても、中はまだしっかりと形を保っているんですよ。でも、火を通すことによりミルクの旨みがより活性化してコクが増すんです。ワインと合わせるならばしっかりとした味の辛口の白ワインがお勧め。日本酒と合わせても美味しいですよ。

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