サレール

期間限定で作られる大きな山のチーズ「サレール」

サレール

フランスは広い平野もあれば、険しい山岳地帯もある国です。普通酪農、というのは平原で行われることが多いのですが、フランスでは山岳部でも牛、ヤギ、ヒツジが飼われていて、平野部とはまた違ったチーズが作られているのです。山間部でもで作られているチーズは別名山のチーズ、ともいいます。サレールはそんな山のチーズの中でも夏の間だけ作られている期間限定の品。世界中にファンがいます。

高地牧場の草をたっぷりと食べた牛から絞ったミルクは絶品

サレールはフランスのオーヴェルニュ地方で作られている牛の生乳を原料としたチーズです。サレールは土地の名前でもあり、牛の名前でもあります。このあたりの標高は500m~2000mほどで、夏でも涼やか。その代り冬は厳しい寒さと雪に閉ざされます。そんなオーヴェルニュ地方で、4月半ば~11月の初めでの期間限定で作られるチーズなんですね。ちなみに高原で作られる期間限定のチーズといえば、カンタルがあります。実はカンタルとサレールは作り方は全く同じ。しかし、サレールは無殺菌牛乳のみで作られ、生産期間もカンタルと異なります。ふたつのチーズを食べ比べてみるのもおもしろいかもしれません。サレールが期間限定な理由。それは、牛が食べる餌にあります。牛はサレールの生産期間中、高地牧場に放牧されて夏草をたっぷりと食べてせっせとミルクを出します。このミルクで作ったチーズでなければサレールと認められません。餌が違うだけでそれほどミルクの味が変わるのか、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、飲み比べてみた人の話によると、まるっきり違うんだそうですよ。

昔ながらの石造りの小屋で作るチーズ

さて、牛から絞られたミルクは生乳として石造りの小屋(ビュロン)に運ばれてチーズに加工されます。サレールの一個の大きさはなんと40キロ。このサイズのチーズを作るためには、約400リットルの生乳が必要。いちいち麓までおろしてはいられないのですね。また、チーズ職人もチーズの製造期間中は小屋に泊まり込んでひたすらチーズを作り続けます。ちなみに、小屋の一階はすべてチーズの製造工房のため、職人が寝泊まりするのは2階です。人よりもチーズが優先されるのですね。

チェダーチーズの元祖?

現在世界中で最も生産量の多いチーズはイギリスが原産のチェダーですが、サレールはこのチェダーの元になったチーズと言われています。確かに熟成をしていながらクセのない味わいと豊かなコクはチェダーとよく似ています。しかし、無殺菌牛乳を使い、手作りで作られているためか、ひとつひとつチーズの味は微妙に異なり、2度と同じ味のチーズは食べられないかもしれません。これもまたサレールの魅力のひとつです。

ワインだけではなく、日本酒や焼酎に合わせても

サレールは乳酸菌発酵をして熟成をさせるチーズですから、麹のような風味もありワインだけでなく日本酒や焼酎ともよく合うチーズです。チーズといえばワインというイメージが強く、特に外国産のナチュラルチーズはワイン以外合わないのでは?と思われがちですが、日本酒とも十分に楽しめるんですよ。ぜひ機会があってサレールが手に入ったら、ワインだけではなく吟醸酒や焼酎と合わせてみてください。スパイシーさが欲しいと思った場合はコショウや七味唐辛子をふっても美味しいですよ。

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