サン・マルスラン

元はヤギのミルクが原料 サン・マルスラン

サン・マルスラン

その昔ルイ11世が森の中でクマに襲われたとき、このチーズを食べて怪我を回復させた、という伝説があるチーズ。原料が変わってもその美味しさは変わりありません。

15世紀まで原料はヤギのミルクだった

プロヴァンスの北にあるドーフィネ地方で作られている、小ぶりなシロカビタイプのチーズ、サン・マルスラン。直径7センチ、重さ80グラムほどの円盤型をしたチーズは、日本人にも食べやすい大きさです。ルイ11世が食した。という記録も残っていることから、その歴史は古く、15世紀には製造が始まっていたようです。作られた当時、このチーズの原料はヤギの生乳でした。しかしその後、清泉寮の増加にともない原料が牛の生乳に変化し、今ではフランス国内や日本に流通するサン・マルスランのほとんどが牛の生乳さんのものです。

作り方は昔ながら

しかし、原料が変わったからといってもサン・マルスランの作り方はヤギの生乳を原料にしていたころと変わりません。牛の生乳にタンパク質凝固物質を加えた後、熱も圧力も加えずに自然の重みで固体と液体に分離させます。そのため、できたばかりのサン・マルスランは真っ白できめが細かくまるでシェーブルタイプのチーズのような外観をしています。

熟成させるにしたがって味が変化していく

できたばかりのサン・マルスランはカビもあまりついておらず、真っ白でポロポロとしています。味も酸味が強く、言われなければシロカビタイプではなくシェーブルタイプだと勘違いしてしまう人もいるでしょう。熟成が進むにつれて、表面にはカビがついて中身がトロトロになっていきます。でも、カマンベールチーズのように真っ白なカビではなく、クリーム色のカビが生えるので、今度はウォッシュタイプのように見えます。熟成が進むと、若い頃に感じられていた酸味はまったくなくなり、代わりに牛乳特有のマイルドな濃厚さが現れます。若い頃と熟成した頃は別のチーズのように味が違うので、フランスでは様々な熟成具合のサン・マスランが売られています。日本ではフランスほどバラエティに富んだ熟成度合いで売られていることはありませんが、まだ若いものを買ってきて、冷蔵庫で好みの度合いに熟成させるとよいでしょう。

若い頃は白ワイン、熟成が進んだものは赤ワインが合う

サン・マスランは若い頃と熟成しきった頃では別のチーズか、と思うほど味が違います。若い頃は酸味が強くさっぱりとした味わいなので、辛口の白ワインが良く合うでしょう。熟成させるにしたがって、フルーティーな赤ワインから、フルボディの濃厚な赤ワインが良く合うようになってきます。熟成しきると、チーズは元の形を保てないほどトロトロになりますので、熟成させるときはタッパーなどに入れておくとよいでしょう。全面がクリーム色のカビにおおわれ、トロトロになったチーズはウォッシュタイプのチーズ「エポワス」にそっくりですが、エポワスにあるような特徴的な匂いがありません。そういう意味では外国産のナチュラルチーズを食べなれていない人でも美味しく食べられるでしょう。そのまま食べる他若いうちは、はちみつを垂らしてデザート感覚で食べても美味しいです。熟成が進んだものはトロトロになったものをクルミ入りのパンにつけて食べるのもお勧めですよ。

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