サン・フェリシアン

陶器に入ったバターのようなチーズ「サン・フェリシアン」

サン・フェリシアン

もともとサン・フェリシアンはヤギの生乳で作られたシェーブルタイプのソフトチーズでしたが、現在では牛の生乳に原材料がとってかわられ、サン・マルスランの大型チーズといった位置づけになっています。

まるでバターのようななめらかなチーズ

サン・フェリシアンは20世紀の初め、フランスのリヨンにある乳製品の会社がサン・マルスランをヒントに余ったクリームを使って作り始めたチーズです。作られた当初は、ヤギの生乳を利用して作られていたそうですが、今ではほぼ牛の生乳で作られたものしか流通していません。このあたりも、サン・マルスランと同じ歴史をたどっています。ちなみにサン・フェリシアンとはリヨンの西側にある街の名前。脂肪分が60%以上もあり、バターのように滑らかな舌触りが特徴。熟成するにしたがってトロトロになるので、陶器の容器に入れられて売られることが多いです。

チーズ初心者にもお勧め

サン・フェリシアンはダブルクリームというチーズを作る過程で生クリームを加えて作られています。ですから、脂肪分が高くわかりやすい美味しさをしています。脂肪の甘みに隠れているせいか、くせや匂いもほとんど感じられません。熟成が進んでいない段階からお豆腐やバターのように柔らかいのは、タンパク質凝固物質を加えた後型に入れて、水分(乳清)が澄んでくるまで放置しておくからだそうです。でもこれは水分がまだたっぷりとチーズ内に残っているので、腐りやすさと背中合わせでもあります。低温で熟成できる環境が整った現代だから作ることが可能になったのですね。熟成が進むにしたがって、表面にはカビが生えて中身はトロトロになっていきます。ここまで熟成が進むと、多くのチーズが独特のエグミや匂いがでてくるのですが、サン・フェリシアンはミルクの甘みと濃厚さをとどめています。ですから、チーズ初心者の入門編にもお勧めですよ。

ネックは価格?

サン・フェルシアンは一個が100グラムと牛の生乳を原料としたチーズの中では小ぶりなサイズです。でも、その分脂肪分が多いので、食べきるにはちょうどいいかもしれません。日本でもチーズショップなどで見かけることが増えましたが、100グラムあたり2000円前後、と外国産のナチュラルチーズの中でも高価な部類に入ります。
「こんな小さなチーズが2000円もするなんて」とため息が出てしまうかもしれませんが、記念日などに奮発してみてはいかがでしょう。リッチなおいしさに今度は満足のため息がこぼれますよ。

ワインだけではなく、日本酒にもピッタリ

濃厚なうまみを持ったサン・フェリシアンはどっしりとした味の本格的なワインよりも、手軽に楽しめるテーブルワインの方がお勧めです。また、辛口の日本酒とも良く合うそうなので、試してみても面白いかもしれませんね。チーズ単体だけだとちょっとくどいな、と思ったら野菜をスティック状に切ったものに、ディップのようにつけて食べてみましょう。キュウリや大根などあまりクセのない野菜がお勧めです。また、ドライフルーツとの相性も良いそうなので、レーズンの入ったパンにバターのように塗って食べてもよいでしょう。一度封を開けてしまったら食べかけを保存することは難しいので、できる限り食べきってしまってくださいね。

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