ローヴ・デ・ガリック

ヤギの食べたハーブがそのまま香るチーズ ローヴ・デ・ガリック

ローヴ・デ・ガリック

まっしろな球形の形をしたヤギの生乳を原料としたチーズ、ローヴ・デ・ガリック。強いハーブの香りが特徴的なチーズですが、これはチーズを作る時に加えたわけではなく、ハーブを食べたヤギが出すミルクの香りなのです。

ハーブを食べて育ったヤギのミルクから作られたチーズ

南フランスのラングドック・ルション地方で作られているヤギの生乳を原料としたローヴ・デ・ガリックはシェーブルタイプのチーズです。ガリックとはガーリック(にんにく)ではなく、この地方の石灰質乾燥地帯のこと。ちなみにローヴというのはヤギの種類のことです。つまりローヴ・デ・ガリックというのはガリック地帯のローヴ種から作られたチーズ、という意味なのですね。ひとつ70グラムのかわいいサイズのチーズはまっしろで球形に近い形をしています。日本でなじみのあるフレッシュチーズ、モッツアレラチーズによく似ていますね。ローヴ・デ・ガリックの特徴は何といってもその香り。タイムやローズマリーのような強いハーブの匂いがします。といっても、これはチーズを作る際にハーブを加えたからではありません。ハーブのような匂いはヤギのミルクそのものの匂い。ハーブを食べて育ったヤギが、ハーブの香りのするミルクを出しているのですね。

荒地が生んだ美味しいチーズ

ガリックは石灰質乾燥地帯というだけあって非常に乾燥した土地であり、植物は繁殖力が強いハーブくらいしかそだたないそうです。ですからここで飼われているヤギの餌はもっぱらハーブ。食べたものの香りが本当にミルクに移るの?と思う方もいるかもしれませんが、牛でも干し草を食べさせて絞ったミルクよりも、新鮮な牧草を食べさせて絞ったミルクのほうが味が良く高値で取引されることが多いそうなので、ハーブをたっぷり食べさせたヤギからはハーブの匂いがするミルクが摂れても不思議はありません。若い頃は酸味が強く、ハーブの香りと相まって非常に爽やかな味のチーズです。熟成が進むにしたがって、表面に白カビが生え、味にコクが出てきます。また、添付したわけでもないのに胡椒のようなピリッとした舌触りも感じられる、という人もいて本当に不思議なチーズです。

ハーブの香りを楽しむのなら、生で食べるのが一番

ローヴ・デ・ガリックはそのまま薄くスライスして食べるのが、ハーブの香りとチーズの味を存分に味わえる一番お勧めな方法です。70グラムというちょうど食べきりサイズなのもうれしいですね。フレッシュな味が好きな方は買ってきてすぐ。少しコクのある味を楽しみたい、という方は冷蔵庫でうっすらと白カビが生えるまでねかしておくのがよいでしょう。ただ、シェーブルタイプのチーズは熟成しすぎると水分が飛んで干からびた味になってしまうので、あまり寝かしすぎないことがポイントです。また、ヤギは牛と違って乳を出す時期が短く、毎年春から秋までしかミルクを摂ることができません。現在は冷凍技術が発達していますから、年中ヤギのチーズを作ることが可能ですが、やはりおいしいのは春から夏にかけて作られたチーズです。本当に美味しいチーズを味わいたい、と思ったら季節にも気を配りましょう。ワインと合わせるならばやはりハーブの香りがするソービニヨン・ブランの白ワインがお勧めですよ。

この記事を読んだ方におすすめの記事はコチラ