ルエルチーズ

ドーナツ型の変わった形 ルエル

ルエルチーズ

ヤギの生乳を原料としたチーズの中では最も歴史が新しいもののひとつ、ルエル。フランス語で「輪っか」を意味する「ルエル」の名前の通りにドーナツ形をしたチーズです。

元小学校の先生が作ったチーズ

ルエルはフランスの小さな乳製品製造会社ル・ピック社の人気商品です。南仏のミディ・ピレネー圏の山の中で作られているヤギの生乳を原料としたシェーブルタイプのチーズのルエル。フランス語で「輪っか」を意味する「ルエル」という名前の通り、チーズの真ん中に丸い穴が開いています。シェーブルタイプのチーズはピラミッド型や紡錘型など個性的な形が多いのですが、穴あき型というのも珍しいですね。このチーズを作っているル・ピック社の創業者夫妻は、元小学校の先生という異色の経歴の持ち主。1968年にパリで起こった学生運動である五月革命をきっかけに都会での生活に見切りをつけ、南仏へ移住されたそうです。移住先で試行錯誤を繰り返してチーズを作り続け、今では年60万リットルのミルクでチーズを作るまでになりました。

形の由来はリクエスト

ル・ピック社はルエルを作り始めたわけは、カンヌのチーズやさんのリクエストだったそうです。穴をあけることでチーズの乾燥が早く進み、熟成も同じように早まるという利点があるのだとか。フランスのチーズには長い歴史があり、製造や熟成の技術も出尽くしたように思われますがまだまだ新しいタイプのチーズがつくれる可能性をルエルは示してくれているのです。歴史あるチーズに比べて知名度は低いですが、新しいチーズは自由な発想ができる分、私たちに新しいチーズの魅力を伝えてくれるでしょう。

灰つきと灰なし、お好みでどうぞ

ルエルは乾燥を防ぐために灰をまぶされた大型なものと、真っ白いままの食べきりサイズの2種類が販売されています。日本人から見れば何もまぶされてないほうが美味しそうに見えますが、熟成による味の変化を楽しみたかったり、遠くへ輸送する場合は灰をまぶしたものの方が便利です。どちらも熟成が進むにつれて表面に青いカビが生えて青灰色になりますが、中身に問題はありません。
若い頃は南仏のシェーブルタイプのチーズらしく密度のあるしまった組織を持っています。味は独特の酸味と滑らかな舌触りが特徴で、シェーブルの初心者でも食べやすいものになっています。熟成が進むと水分が抜けて一回り小さくなり、セミハードタイプのチーズのような固い感じになってきます。旨みがギュッと濃縮されますがその分ヤギのミルクの独特の匂いも強いでしょう。また、白カビがたくさん繁殖した場合はシロカビタイプのチーズのように内側がトロトロになる場合もあります。そのようなチーズはさらにコクが増して後味が長く口の中に残るチーズになります。

若いうちは白ワイン、熟成をしたら赤ワインに合わせるのがお勧め

ルエルは若いうちは酸味が強いので、赤ワインよりもさっぱりとした白ワインが良く合います。南仏は質の良い白ワインがたくさん生産されていますので、自分のお気に入りの一本を選んでみるのも良いでしょう。熟成が進むにつれてミルクの旨みが熟成されてコクが出てきますので、赤ワインのどっしりとした味を受け止められるようになります。また、酸味が強すぎる、というときははちみつを垂らしたりジャムを添えたりして食べるとさっぱりしたクリームチーズのような味わいになります。

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