ロッソ インペリアーレ

甘口のワインの搾りかすに漬けられた辛口のチーズ「ロッソ インペリアーレ」

ロッソ インペリアーレ

イタリアには第一次世界大戦中に偶然発見されたワインの搾りかすにチーズを漬けこんで熟成させる、という製法があります。つけられるチーズもワインの搾りかすもバラエティに富んでいて、できあがったチーズの味も様々です。ロッソ インペリアーレは甘口のワインの搾りかすにアオカビタイプのチーズを漬けこみました。

辛口のチーズを甘口のワインの搾りかすに漬けて。

イタリアのロンバルティア州で作られているロッソ インペリアーレは、分類上はアオカビタイプのチーズです。しかし、完成までに陰干しして水分が抜けたブドウで作られるパッシートの搾りかすに3か月ほどつけられるというもうひと手間がかけられているのですね。
こうしたチーズはイタリア語で「ウブアリーゴ」(酔っ払い)チーズと呼ばれています。この製法が発見されたのは第一次世界大戦中。貴重な食糧であるチーズを兵士に奪われないようにワインの搾りかすが詰まった樽に埋めて隠したのがきっかけ、と伝わっています。この製法はその後廃れてしまいましたが、第二次世界大戦後イタリアの意欲的なチーズ職人の手によって復活し、様々な新しいチーズが生み出されました。ロッソ インペリアーレもそのひとつ。辛口のチーズを甘口のワインの搾りかすに漬けることによって奥深い味わいになっています。

辛みに甘みが加わるとまろやかな味わいを生み出す

アオカビタイプのチーズはアオカビ由来のピリッとした辛みが特徴です。それを甘口のワインの搾りかすに漬けると、辛さが丸みをおび後口にワインの香りがほのかに漂う複雑な味わいになります。日本でも魚や野菜をお酒のかすにつける調理法がありますが、それと同じような感じなのでしょう。アオカビタイプのチーズの辛みが苦手、という方もこのチーズならば美味しく食べられそうです。また、アオカビタイプのチーズはジャムやはちみつなどの甘みと意外に相性の良いことで知られていますが、塩味も強いためそのままジャムやはちみつと合わせる甘みと塩味がぶつかり合い、日本人には好き嫌いの別れる味になちます。しかし、甘口のワインの搾りかすに漬けたことによって上記したように塩辛さが丸みをおびますので甘みとの相性がよりよくなっているのです。ぜひジャムやはちみつをそえたり、甘いブドウパンの上に乗せて食べてみてください。

ワインに合わせるならば甘口のデザートワインもお勧め

もちろんロッソ インペリアーレはワインとの相性もバッチリです。一番お勧めなのは甘口のワインパッシーニ。手に入りにくければ甘口のデザートワインでもよいでしょう。また、一度凍らせたブドウで作る極甘のアイスワインと共にデザートの一品としても美味しいですよ。チーズ自体にはアルコール分がほとんど残っていませんのでお酒が苦手な人でも大丈夫です。アオカビチーズはサラダやピザ、パスタなどの料理にも幅広く使われますが、ロッソ インペリアーレはそのまま食べるか、加工をするにしてもパンの上に乗せるくらいが一番おいしい食べ方です。食べ残しを保存する場合は、繁殖力の強いアオカビが周囲の食品に移らないように密閉できる容器に入れて、干からび切らないうちに食べきってしまいましょう。100グラムあたり1300円前後と若干高めではありますが、色々な楽しみ方ができます。

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