ロッコロ

サルヴァ・クレマスコの家庭版!?「ロッコロ」

ロッコロ

その昔、ヨーロッパではチーズは大切な保存食であると同時に現金収入を得ることのできる大切な商品でした。ですから多くのチーズ農家は出荷用と家庭用の2種類のチーズを作ってきたのです。ロッコロはイタリアを代表するチーズサルヴェ・クレマスコの家庭版として作られていたものを正確に復刻したもの。素朴な味が楽しめます。

復活した昔ながらのチーズ

イタリアのロンバルティア州で作られている牛の生乳を利用したロッコロはウォッシュタイプのチーズです。できてまだ20年ほどの新しいチーズなのですが、その製法はとても古くから伝えられていたもので、新しいチーズというより作り手の途絶えてしまったチーズを試行錯誤の上復活させたという方が正確かもしれません。ロンバルティア州の山の中には夏の間牛を放牧する高地牧場がたくさんあり、放牧された牛はとても良いミルクをだすのです。そのミルクを使って作られたチーズがDOP(イタリアの原産地保護名称)にも指定されている「サルヴァ・クレマスコ」です。ロッコロは元々高地牧場へ牛を送りだす前の5月に、夏の間牧畜農家が食べるチーズとしてまとめて作られたものでした。ですからひとつが2キロ程度とかなり大きめのチーズです。

まるでセミハードチーズのようなウォッシュチーズ

ウォッシュチーズというと、熟成が進むと切り分けられないほどトロトロになるというイメージがあります。しかし、ロッコロは表面こそ塩水で洗って熟成させるのでべたべたして色とりどりのカビが生えていますが、中身はむしろボロボロとしていてシェーブルタイプのチーズのような感じです。味は表皮にちかいほどもっちりとしていて、松の実やナッツを思わせるコクがあります。中心部は逆に独特の酸味が感じられる爽やかな美味しさ。ひとつのチーズでふたつの味が楽しめるのです。

素朴な美味しさ

ロッコロ自体は現在の洗練されたチーズの味と比べると非常に素朴です。復活して20年程度とはとても思えません、何百年も作り続けられてきたような味がします。ですがそれ故に毎日食べても食べ飽きない味です。きっとロッコロが各家庭で手作りされてきたころは、日本のお漬物のように毎日の食卓に上がっていたのでしょう。そのまま食べるだけでなく、サンドイッチの具などにするのもお勧めです。

皮は食べないこと

カマンベールなどは表皮も食べることができますが、ロッコロの表皮は硬く色とりどりのカビも生えています。また、塩水で洗っただけあって匂いも強く食べるものではありません。必ず外してから食べましょう。匂いが気になる、という人は少し厚めに皮をむくと匂いも薄くなります。このチーズはウォッシュタイプの割には強い個性を持っていません。どちらかといえばセミハードチーズのような優しい味わいなので、ワインに合わせるならあまり個性の強いワインよりも、優しい味のフルーティーなワインのほうが良く合います。
また、独特な酸味が気になる方は辛口の白ワインを合わせてみましょう。ワインの酸味がチーズの酸味をうまく打ち消してくれます。始めて食べたはずなのにどこか懐かしい味がするのは、日本にも発酵食品の文化が根付いているからでしょうか。それほど値段も高くないので、気軽に求められるのもうれしいですね。

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