ロカマドゥール

コインサイズの可愛らしいヤギのチーズ「ロカマドゥール」

ロカマドゥール

外国のナチュラルチーズは数十キロあるものも珍しくありませんが、ロカマドゥールは逆に35グラムしかない小さなチーズです。でも、その美味しさは大きなチーズに負けてはいません。

巡礼の街で生まれたチーズ

ロカマドゥールはチーズの名前であると同時に、フランスのケルシー地方にある街の名前でもあります。巡礼の街として名高く、石灰岩を利用して作られた建物が観光スポットにもなっています。ガイドブックなどでも紹介されることが多いので、ご存じの方もいるかもしれません。ケルシー地方はヤギの牧畜が盛んで、その生乳から作られたシェーブルタイプのチーズがロカマドゥールです。ヤギの生乳から作られたチーズは、牛の生乳から作られたものよりももろいため、小さいサイズが多いのが特徴です。以前はこの地方で作られた100グラム以下の小さなシェーブルタイプのチーズをまとめて「カベクー」と呼んでいましたが、1996年にAOC(フランスの原産地呼称制度)を取得した際に、名前をロカマドゥールに改めました。

小さいけれど濃厚なチーズ

ロカマドゥールは本当に小さなチーズです。重さは約35グラム。日本の大手メーカーから販売されている6Pチーズ2個分とほぼ同じ重さです。フランスではコインサイズのチーズと紹介されることもあるとか。そういえば、ロカマドゥールは形もコインそっくりです。小さい分熟成も早いのか、若いうちからねっとりとしたコクとうまみが楽しめます。熟成後1週間で表面にうっすらとカビが生え出し、2週間目になると内部のクリーミーさが増しますが、1カ月近く寝かすと今度はピリッとした辛みが出てきます。

ヤギのチーズは作られる地域によって味が違う?

ヤギの生乳で作ったチーズというと、若いうちは独特の酸味がありやや水っぽいというイメージを持っている方も多いでしょう。でも、このロカマドゥールは若いうちから濃厚で、酸味がほとんど感じられません。フランスのヤギのチーズの一大生産地と言えば、ロワール河流域が有名ですが、このロカマドゥールは南フランスで作られています。おなじヤギのミルクを原料にしているとはいえ、産地が違えばチーズの味も変わってくるのですね。
シェーブルタイプのチーズを食べなれていない方は、できる限り若いうちに食べたほうが、美味しく食べられるでしょう。ヤギのチーズが大好き、という方はピリッとした風味が出てくるまで寝かせておいてもよいですが、あまり寝かせすぎると水分が抜けすぎてチーズの干物のようになってしまいますので、3週間くらいを目安にするとよいですね。

赤と白、どちらのワインと合わせても美味しい

一般的にシェーブルタイプのチーズは白ワインと相性が良い、言われていますがロカマドゥールは赤白どちらのワインとでも美味しくいただけます。できれば南仏のワインの方がよりチーズのおいしさを引き立ててくれるでしょう。また、熱を通しても美味しいですので、少し硬くなったものをパンの上に乗せて焼いてみるのもお勧めです。日本で買う場合は、グラム数の割には値段が高いチーズですが、ヤギのチーズの入門編としてはおすすめです。食べきりサイズですから、「奮発して買ったけれども口に合わなかった。残りをどうしよう」という失敗も防げます。

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