ケソ・テティージャ

艶めかしい名前の由来はその形から ケソ・テティージャ

ケソ・テティージャ

珍しい円錐型をしたチーズです。「テティージャ」とは実はおっぱいという意味。なんとも艶めかしい名前をしたチーズですね。

円錐形はじょうごの形

ケソ・テティージャはスペインの北西部、大西洋に面したガリシア地方のサンティアゴ・デ・コンポステーラで作られている、牛の生乳を原料としたチーズです。スペインのチーズというとヤギやヒツジの生乳で作られるものが多いですが、この地方は雨が多く一年を通じて温暖な季節なのでスペイン最大の牛乳の生産地なので、牛の乳がつかわれているのです。
このチーズは独特の円錐形をしていることから「おっぱい」もしくは「尼さんのおっぱい」と呼ばれています。これは6世紀に生産が始まった時に、チーズを形成する型にじょうごが使われていたためにこんな形になっただけで、決して最初からおっぱいの形に似せようと思っていたわけではありません。

マイルドで優しい味

ケソ・ティティージャはハードチーズに分類されますが、熟成7日目から食べることができます。牛の生乳が原料だけあって、クセがなく脂肪分の高いねっとりとした味が特徴です。ミルクキャンデーのようだ、と例えられることもあります。冷蔵庫から出してしばらくそのままにしておくと室温で形が平べったくなってしまうほど、柔らかいのでハードチーズというよりフレッシュチーズのような感じがします。スペインではデザートチーズとして食べられるのが一般的で、パンやクラッカーに乗せてジャムやチーズを添えるそうです。もちろん、料理にも幅広く利用でき、サラダからサンドイッチ、タルトの具材にまでなります。熱を加えるとモッツアレラチーズのように伸びますから、ピザのチーズとして利用しても良いでしょう。また、スペインではこのチーズはマイルドで塩味も薄いので、離乳食を卒業した赤ちゃんが最初に食べるチーズのひとつでもあります。
日本でもだいぶ手に入れやすくなりましたので、大手デパートのチーズ売り場などで見かけることもあるでしょう。

姉妹品はコーヒーの味

ケソ・テティージャには姉妹ともいえるチーズがあります。それはサン・シモン・ダ・コスタ。原料も作り方もケソ・テティージャとそっくりですが、こちらのほうは樺の木で燻製にしていますので、表面はなめらかなキャラメル色をしています。ケソ・テティージャが「尼さんのおっぱい」」と言われているのに対し、サン・シモン・ダ・コスタのほうは「とがったおっぱい」といわれています。でも、その形はおっぱいというより大きなどんぐりのよう。燻製をしただけあって、表面はしっかりとしていて、1年ほど熟成したものも売られています。こちらのチーズもスペインチーズの中ではクセがないタイプですが、燻製の香りがチーズに移ってまるでコーヒー牛乳のような味わいになっているそうです。コーヒー牛乳味のチーズ、というとちょっと不思議な感じがしますが、こちら方が大人向けの味、ということでビールやワイン、ウイスキーなどのおつまみとして出されることが多いそうです。こちらのチーズも温めるとトロリととろけて、コクが増したように感じられます。興味のある方は2種類の「おっぱい」チーズを買って食べ比べてみるのも美味しいかもしれません。また、ちょこっとだけ食べたい。まずは味見をしたい、という方はスペイン風の居酒屋、バルに出向いてみましょう。おつまみとして置いてあることがあります。