クアルティローロ・ロンバルド

脂肪分の少ないさっぱりとした美味しさ「クアルティローロ・ロンバルド」

クアルティローロ・ロンバルド

イタリアのチーズは名前の長いものが多く、なかなか覚えきれないという方も多いでしょう。このチーズの語源はクアルティ=クアットロ(イタリア語で4という意味)です。酪農家が4回目の草刈りを終わった後(そろそろ秋も深まってくる9月の半ば以降)に絞ったミルクから作られたチーズという意味なのですね。

ふるさとはチーズの名産地

北イタリアのロンバルディア州で生産されているクアルティローロ・ロンバルドはセミハードタイプのチーズです。この地方はアルプス山脈と広大なパダーノ平野があり、昔からゴルゴンゾーラやタレッジョといった有名なチーズを作ってきました。クアルティローロ・ロンバルドは実はこのダレッジョと非常によく似たチーズです。違いはダレッジョは表面を塩水で洗って熟成させるのに対し、クアルティローロ・ロンバルドは表面に何も施さず熟成をさせます。30日程度の熟成で市場に出回るフレッシュタイプと数か月間熟成させるスタジオナート(熟成)タイプがあり、熟成タイプの方はまるでウォッシュタイプのような独特の漬物のような臭いがします。独特の酸味が特徴で、乳脂肪分が30%とやや少ないせいか、非常にさっぱりとした後口になっています。

ワインや日本酒と味わうと真価を発揮するチーズ

クアルティローロ・ロンバルドは製造過程でしっかりと生乳を乳酸菌発酵させて、酸味を強くしています。ですから牛の生乳で作られているにもかかわらず、ヤギのチーズよりも酸味が強いんですね。また、脂肪分も低いのでさっぱりしたものが恋しくなる夏向けのチーズ、と思いがちですが意外にもミディアムボディの赤ワインや日本酒と合わせると酸味が引っ込み、ミルクのコクと旨味が顔を覗かせます。
「タレッジョによく似ているけれど、酸っぱいしコクはないし、今ひとつだなあ」と思っている方、ぜひともワインや日本酒と共にクアルティローロ・ロンバルドを召し上がってみて下さい。お互いの旨味を引き立てあう食べ物の組み合わせ「マリアージュ」とはこういうことだったのか。と納得できます。
また、このチーズは若いころはぽろぽろとした舌触りですが、熟成が進むにつれて柔らかくなり、コクが生まれてきます。この違いを楽しむといった食べ方もできるんですよ。

お買い得なのも魅力

クアルティローロ・ロンバルドのようにフランスのAOC(原産地呼称統制)やイタリアのDOP(原産地名称保護制度)とよく似た作り方をしたチーズ、というのは実はたくさんあるのです。DOPに認定されると知名度は一気に上がりますがその反面、生産地や作り方が厳しく定められてしまい、生産量は減ったり価格がアップしたりしてしまいがちなのです。日本のチーズショップでも。よく似たチーズなのに価格が倍くらい違うふたつのチーズを見たことがある方もいるのではないでしょうか。DOPに認定されるのは名誉なことだけれど、今までごく普通に食卓に上がっていたチーズが急に高価なものになってしまうのはさびしいですよね。ですからよく似たチーズにも一定の需要があるのです。クアルティローロ・ロンバルドは、よく似た作り方のDOP認定のチーズ、タレッジョよりもかなりお買い得。美味しいチーズをたっぷり食べたい、という方にもおすすめですよ。

この記事を読んだ方におすすめの記事はコチラ