プロセスチーズ
日本人に一番身近なチーズ
プロセスチーズはナチュラルチーズを溶かし、再び型にいれて固めたものです。どうしてそんな面倒なことをするの?と思う人もいるでしょう。これには2つのメリットがあります。
1.熟成が止まるのでこれ以上味が変わらない
2.保存性が高まる
チーズの熟成による味の変化はチーズの魅力のひとつですが、いわゆる「食べごろ」が過ぎてしまうと、美味しいと感じる人が減っていきます。長い間味の変わらないチーズ、というのは実は多くの人々の夢でもありました。プロセスチーズは一度火を入れて発酵を止めることで、チーズを食べごろの味のまま長い時間保存ができます。これによってチーズを遠くに持ち運ぶことが容易になったのです。
なぜ日本ではプロセスチーズが主流なの?
プロセスチーズが初めて作られたのは19世紀末のスイスですが、一般に流通し始めたのは20世紀になってからでした。きっかけは第一次世界大戦。プロセスチーズが前線で戦うアメリカ軍の兵士たちの糧食として重宝されたのです。以来アメリカはプロセスチーズの生産が盛んになり、プロセスチーズは別名アメリカンチーズとも呼ばれています。
では、日本ではどうでしょう。日本は昔から細々とチーズ作りは行われてきましたが、一般人が口にすることはありませんでした。
第二次世界大戦後、食生活が徐々に欧米化してきたのをきっかけに、食品会社は日本人好みのチーズの開発に乗り出します。
しかしナチュラルチーズは匂いも強く、形も石鹸のようでとても受け入れられそうにありません。そこで注目されたのがプロセスチーズだったのです。
日本で作られているプロセスチーズの原料はゴーダチーズやチェダーチーズ。どちらも比較的クセがなく、食べやすいチーズです。さらに成形のしやすさを生かしてスライスチーズや6Pチーズなどに加工することで、石鹸を連想することもなくなりました。
加工だって自由自在
プロセスチーズのもうひとつの特徴として、加工のしやすさが挙げられます。今の日本にたくさんの種類のチーズがあるのは、プロセスチーズのおかげでしょう。また、味にクセがないので別の味を添付しても違和感がありません。また、中にナッツを入れたり、ペッパーを入れたりした製品もあります。これもまたプロセスチーズだからできることなのです。
非常食にもなるチーズ
チーズは栄養が豊富で柔らかいので子供からお年寄りまで食べることができます。ですから、チーズはいざという時の保存食にぴったり。チーズは冷蔵庫に入れておかないとダメだと思われがちですが、粉チーズは常温保存が可能なんです。この粉チーズというのは、ハードタイプのチーズを削って粉にしたものではなく、市販されている粉チーズです。賞味期限は未開封で半年以上ありますから、十分に非常食としての役割を果たせます。非常用持ち出し袋の中にぜひ一本チーズを入れてみませんか?
自分でできるスモークチーズ
香ばしいチップの香りがたまらないスモークチーズ。いろいろな種類が市販されているのですが、実はこのスモークチーズ。6Pチーズで自作ができるのです。
01 | 深鍋にアルミホイルをしき、その上にチップとピトーをブレンドしたものを置く。 |
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02 | 鍋を火にかけ、煙が出るまでいぶす。 |
03 | 足のついた網を深鍋に乗せ、その上にアルミホイルを乗せ6Pチーズを置く。 |
04 | チーズが溶けないように注意しながら30分ほど燻せば完成。 |
工程はわずか4つ。チップやピトーは東急ハンズなどの大型雑貨店や通販で簡単に手に入ります。大がかりな燻製ではないので、換気扇を強で回せばマンションのキッチンでも問題ありません。興味が出てきた方は試してみてくださいね。