ピコドン チーズ

熟成が進むにしたがって味が一変!?ピコドン

ピコドン

個性的な名前を持つこのチーズは、ヤギのミルクから作られる小ぶりなかわいいチーズ。
しかも、熟成するにしたがって味が全く変わってしまうのです。

「甘い」と「辛い」の名前を持つチーズ

ピコドンはフランスのロール・アルプ地方にあるローヌ川を挟んだアルデッシュ県と東のドローム県で作られている、ヤギのミルクを原料としたチーズです。この個性的な名前は中世プロヴァンス語の「辛い」を意味する「ピカン」と「甘い」を意味する「ドゥ」を合わせたものからきている、と伝えられています。ヤギのチーズは小さなものが多いのですが、その中でもピコドンは45g程度とかなり小ぶり。コロンとした可愛らしい形が特徴です。さらに、このチーズは熟成するにつれて味がかわっていきます。熟成が進むにつれて味に変化があるチーズは珍しくありませんが、がらりと味が変わってしまうチーズはおそらくこれだけではないでしょうか。

若い時は甘く熟成が進むと辛くなる

ピコドンは若い時は焼き栗のようなほっくりとした舌触りと甘い味がします。一般的なヤギのチーズは牛の生乳で作られたものよりも乳酸菌が多いので、酸味が強いものが多い中、甘いチーズというのは珍しいですね。しかし、このピコドン、熟成が進むにつれてヤギのチーズ独特のピリッとした辛みが出てくるのです。でも、はっきりと「これは辛い」と感じるまで熟成させるには、かなりの時間がかかる上に、チーズの表面はカビにおおわれ、水分はとんでカチカチになってしまうでしょう。ということで現在売られているピコドンは甘いものか、熟成が進んだとしても「ヤギ独特の癖のあるチーズ」と感じられる程度のものがほとんどです。

チーズは洗って食べる?

ピコドンに関してはこんな伝統的な食べ方もあります。その昔、ドローム県デュルフィでは、熟成してカチカチになったピコドンを水でごしごしと洗ってしっとりさせてから食べる「ピコドン・デュルフィ」という食べ方が一般的でした。ごしごしと洗ってもなくならないチーズなんて、どれだけ固いのでしょう。ハードチーズも顔負けです。これだけじゅくせいさせたからこそ。辛みも強いのですね。現在ではフランスでもピコドンは甘いほうが好まれるので、こんな食べ方をすることはめったにないそうです。でも、ヤギのチーズが大好きという方は家でじっくりと熟成させてみても面白いかもしれません。

熱を加えたり。サラダにしたり。

ピコドンはそのまま食べても美味しいですが、熱を加えると甘みが強くなり、より一層チーズの旨みを感じることができます。薄く切ったバケットの上に切り口を上にして置き、オーブンで焼けば出来上がりです。半分は生で、もう半分は熱を加えてふたつの味を食べ比べてみるのも面白いかもしれません。また、季節の野菜と合わせてサラダにするのもお勧めです。まだ出来立ての若いものは、ベリー系のジャムを添えて食べても美味しくいただけます。逆に熟成が進んで固くなってしまったものは、オリーブオイルにつけておくとしっとりして食べやすくなりますよ。表皮についたカビは食べられませんから、厚めにむいておきましょう。ワインと合わせるならば、コクのある辛口の白ワインか、フルボディノ赤ワインがお勧めです。

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