ペコリーノ・トスカーノ

熟成によって名前が変わってくるチーズ「ペコリーノ・トスカーノ」

ペコリーノ・トスカーノ

日本ではパルジャミーノ・レッジャーノに次いで有名なペコリーノ・トスカーノ。でも、イタリア産のチーズは「ペコリーノ」という名前がついているものが多く、チーズを選ぶときに戸惑っている方も多いのではないでしょうか。でも実は簡単な見分け方があるんですよ。

ペコリーノの意味とは?

ペコリーノとは、イタリア語でヒツジを意味する「ペコラ」に由来しています。つまり、イタリアで生産されているペコリーノという名前のチーズは、ヒツジの生乳で作られたチーズなんですね。ヒツジの生乳から作られたチーズはフランスやスペインのものが有名ですが、イタリアの中部から南部にかけても牧羊が盛んですから、ヒツジの生乳製のチーズがたくさん作られているのですよ。それらにはたいていペコリーノ+地名という名前がついていますので、ペコリーノではなく、その後ろの名前を見ればどの地方で作られたチーズがすぐにわかります。ペコリーノ・トスカーノはキャンティワインで名高いトスカーナ地方で作られた羊の生乳製チーズということです。今まで「イタリアのチーズはやたらとペコリーノという名前がついていて区別がつきにくい」と思っていた方もこれでもう大丈夫ですね。

日本人好みの味

ヒツジの生乳は牛のものよりタンパク質も脂肪分も多いので、チーズにすると濃厚な味のものができあがります。また、ヤギの生乳のように独特の匂いもクセもないので、日本人にもなじみやすい味と言えるでしょう。ペコリーノ・トスカーノは熟成をはじめて20日目くらいから食べられるようになります。このように若いものを「フレスコ」、3か月ほど熟成させたものを「スタジオナート」6か月以上熟成させたものを「オーロ・アンティコ」と言います。これらの名前はチーズの末尾につけられますので、「ペコリーノ・トスカーノ・フレスコ」というと1か月程度熟成させたトスカーナ地方で作られたヒツジのチーズちうことになるのですね。若い頃のチーズは、適度な弾力がありプロセスチーズとセミハードチーズの中間のような舌触りです。味は塩味の濃厚なミルクキャンデーのようで、ほんのひとかけら食べただけで、「ああ、チーズを食べたな」という気分にさせてくれます。熟成が進むにつれて、水分が飛んで固さがまし、少しずつ削るようにして食べていくようになります。しかし、ペコリーノ・トスカーノは牛の生乳製のハードタイプのチーズのようにほろほろぽろぽろとした舌触りではなく、口の中で溶けていくような感じがします。これは脂肪分が高いせいですね。味のほうは一種独特のクセがでてきますが、シェーブルタイプのチーズのものほど強くなく、チーズ好きならば「個性が出てきたな」と感じられる程度です。

トスカーナ地方のワインと合わせよう

トスカーナ地方は言わずと知れたワインの名産地。このチーズに合わせるならば、トスカーナ地方のワインが一番です。赤と白どちらのワインとの相性が良いですから、ご自分の好みに合わせて選んでみましょう。また、チーズの生産地では薄く削ったペコリーノ・トスカーノにジャムやはちみつをかけて食べる人も多いです。「しょっぱいチーズに甘いジャム?」と思う方もいるかもしれませんが、日本でも砂糖醤油やザラメせんべいなどあまじょっぱい食べ物はたくさんあります。試してみるのも面白いですよ。