オッソー・イラティ チーズ

太陽神アポロンが作ったチーズ?オッソー・イラティ

オッソー・イラティ チーズ

フランスとスペインの国境付近、独自の文化を有するバスク地方がふるさとの羊のミルクから作られるハードチーズ。それがオッソー・イラティなんです。

作ったのは神々?

フランスとスペインの国境付近、ピレネー山脈を有するバスク地方。ここは国名こそフランスですが、独自の文化と習慣が現代でも残っていて、住民は「自分たちはバスク民族である」という誇りを持って生活をしています。この地方の平均標高は1000m。傾斜が多い土地が多いので、牛ではなく羊の牧畜が盛んです。この羊のミルクで作られたハードタイプのチーズがオッソー・イラティです。アポロンが作ったという伝説が残っているほど歴史が長いチーズで、昔からこの地方の人々の命をつないできた大切な食べ物でした。

名づけられたのはごく最近?

オッソー・イラティのオッソーとはオッソ渓谷から、イラティとはイラティー森林地帯から、それぞれとられて名づけられました。村の名前が由来になっているチーズが多い中でちょっと珍しい名づけられ方だとは思いませんか?実はこのチーズ、長い間名前がなかったのです。1980年にAOC(フランス国内の原産地呼称制度)を獲得するために、この名前が付けられました。バスク地方にはその他にもたくさんのチーズが生産されていますが、その他のチーズも名前がなく、単に「羊のチーズ」という名で売られるそうです。

癖のないまろやかな味

羊のミルクから作られたチーズ、というと牛のミルクから作られたものよりも匂いとクセが強い、というイメージがありますが、オッソー・イラティはクセがなく、後味が甘いまるでミルクキャンディのようなチーズです。3か月以上熟成させますので、パルジャミーノ・レッジャーノと同じくらいの固さを持つチーズですが、かみしめるほどに旨みが口の中に広がっていきます。羊のチーズの入門編にはぴったりのチーズです。

ジャムを添えて食べるのが現地流

日本ではチーズのお供は野菜やハムですが、オッソー・イラティ―はフランスではジャムやはちみつと一緒に食べるのが一般的です。塩味のチーズに甘いジャム?と驚かれる方もいると思いますが、このチーズは後味が甘いので、ジャムと合わせても喧嘩しないのだとか。ブラックベリーやカシスのジャムと一緒に食べるのが現地流ですが、日本では手に入りやすいブルーベリーのジャムを添えて食べても美味しいです。もちろんワインとの相性もバッチリ。赤ワインよりもフルーティーな白ワインが甘いチーズの後味に良く合うそうです。

チーズのお手本になるチーズ

オッソー・イラティは同じ地方で作られているアベイ・ド・ベロックのモデルになったチーズとしても知られています。お手本といってもオッソー・イラティは特別な作り方はしていません。昔ながらの作り方を忠実に守っているだけです。しかし、チーズが工場で作られるようになってから、「伝統的な作り方をしているチーズ」が急速に廃れてしまい、今やフランスの中でもDOPに認定されたチーズくらいしか伝統的な作り方をしているものはありません。オッソー・イラティは伝統的なチーズの作り方を後世に伝える役割も果たしているのですね。比較的日本人にも受け入れやすい味ですので、大手デパートのチーズ売り場に行けば手に入れることができます。伝統的なチーズの味をぜひ味わってみてください。

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