オルヴァル

ベルギーで唯一修道院製を名乗れるチーズ「オルヴァル」

オルヴァル

オルヴァルといえば日本ではビールの銘柄としてのほうが知られていますね。オルヴァルはベルギーの同名の修道院で作られているビールですが、この修道院はチーズも製造しているのです。ですから同じ名前なんですね。

ビールで洗っているけれど

ベルギーのリュクサンブール州にあるオルヴァル修道院で作られている牛の生乳を原料としたオルヴァルはウォッシュタイプのチーズです。オルヴァルといえば日本ではビールの銘柄として知られていますが、元々は修道院の名前だったのですね。ところでなぜ修道院でビールが作られているのでしょうか?それは修道士たちの修行と、教会の運営資金を得るためです。修道院というのは日本のお寺と同じで俗世間とのかかわりをたち、修行をしている人々が集まっている場所です。しかし、生きている以上生活のためにはお金が必要です。人々の寄付もありますが、それで賄いきれない分は修道院が製造したビールやチーズを売って現金を得ているのですね。そして、修道院の中にチーズ工房があるのはこのオルヴァルだけ。ですからオルヴァルはベルギーの中で唯一「トラピスト修道院チーズ」を名乗ることが許されているのです。オルヴァルチーズの一番の特徴はオルヴァルビールで表面を洗って熟成させること。しかしオルヴァルは一般的なウォッシュタイプのように熟成が進んでも中身がトロトロになったりはしません。どちらかといえばハードチーズに分類されそうなチーズです。

むっちりとした弾力に優しいミルクの旨みが感じられるチーズ

オルヴァルの表面は鮮やかなオレンジ色をしています。見た感じはいかにもウォッシュタイプですが、表面はべたべたしていません。また、一般的なウォッシュタイプが一個数百グラム単位で作られるのに対し、オルヴァルは一個が約2キロとかなり大きなチーズです。成形するときにある程度水分を抜くので、大きなチーズが作れるのですね。さらに一般的なウォッシュタイプのチーズは表皮を取り除いて食べますが、オルヴァルは表皮ごと食べることができます。鮮やかなオレンジ色の外皮に比べて、内部は濃いクリーム色をしておりその対比が美しいですね。一般的なセミハードタイプのチーズよりもっちりとした舌触りでミルクの甘みとかすかな酸味を感じます。また、表皮はビール独特の苦みが感じられ、それが一種のアクセントになっています。かみしめると鼻の奥のほうにウォッシュタイプ独特の匂いが感じられますが、ほとんど気にならない程度です。ウォッシュタイプとセミハードの中間のような不思議なチーズなので一風変わったチーズが食べたい、という方にもお勧めです。また、火を通すとミルクの甘みがさらにまし、苦みが控えめになるのでお子様や苦みが苦手、という方はバケットの上に乗せて軽くあぶって食べるとよいでしょう。

世界中から引っ張りだこ?

オルヴァルはもともと修道院で細々と作られていたものでしたから、年間の生産量はわずか180トンしかありませんでした。これは日本で作られているカマンベールチーズの10分の1以下です。しかし、オルヴァルビールが世界的に有名になるにつれて、チーズのほうも輸入したいという国が増えてきました。そこで修道院は新しいチーズ作りの機会を買うなど増産に積極的な姿勢を見せています。今はまだマイナーな存在のベルギービールですが、そのうちフランスのチーズ並みにメジャーになるかもしれません。

この記事を読んだ方におすすめの記事はコチラ