モルビエチーズ

チーズから作られるチーズ「モルビエ」

モルビエチーズ

フランスで最も生産量の多いチーズ、コンテを作る際に余ったカード(牛の生乳から分離したタンパク質の塊)から作られたチーズがモルビエです。元々はコンテを作っていた職人さんの家庭用のチーズでしたが、今ではAOC(フランスの原産地呼称制度)を獲得するまでになりました。

真ん中の黒い線はもったいない精神の現れ

モルビエはスイスと国境を接しているフランシュ・コンテ地方にあるモルビエ村で生産されているチーズです。もともとこの地方はフランスで最も生産量の多いハードタイプのチーズ「コンテ」が生産されていました。このコンテを作る際に余ったカード(牛の生乳にタンパク質凝固物質を加えた際にできるタンパク質の塊)を作って作ったチーズがモルビエなのです。モルビエは内部に一本の黒い線が入っているのが最大の特徴ですが、これは鍋の煤。前日の夕方に残ったカートに煤をふって表面を保護し、そこに今日、コンテを作った残りのカートを足して作ったので、黒い線が内部に入っているというわけなのです。いわばもったいない精神の現れですね。現在、モルビエに入っている黒い線は煤ではなく植物性の添加物ですから、食べても全く健康に問題はありません。でも、もう入れなくても良いものをわざわざ入れてチーズを作るところに、フランスのチーズ職人の頑固さが感じられます。

セミハードタイプですが長期熟成は禁物

モルビエはセミハードタイプのチーズです。ハードタイプやセミハードタイプのチーズは長期保存を目的に作られたチーズなので、熟成させるほど味が凝縮されて美味しくなるものが多いのです。しかし、モルビエは長期熟成させるとかえって味が落ちてしまう珍しいタイプなのです。まだしっとりと柔らかく、ミルクの甘みが残っているうちに食べるのが一番おいしいのだとか。まるでフレッシュチーズのようですね。熟成ができないので、市場に出回る期間も短く、日本のチーズショップでは一年のうちでわずかな期間しか置かれていないことが多いです。ですから、見かけた一期一会だと思って買ってみましょう。むっちりとした舌触りと、優しいミルクの甘みが特徴です。匂いやクセも強くないので、チーズを食べなれていない方や、お子様にもお勧め。中央の黒いラインは無味無臭です。

おつまみにしても料理にしても美味しい

モルビエはコンテと同じようにとても使い勝手の良いチーズです。そのまま食べる他、料理に使っても美味しく食べられますよ。ワインに合わせるならば辛口の白ワインや軽めの赤ワインがお勧め。クセがないので日本酒などとも良く合うでしょう。また、薄く切ってパンに挟めば美味しいサンドイッチが出来上がります。モルビエの特徴として、後味に苦みが感じられるのですが、それが気になるという方は熱を加えてみましょう。ミルクの甘みが膨らんで、苦みを隠してくれます。グラタンやピザなどを作る際にちょっと奮発してモルビエを薄く切ったものを振りかけてみると、いつもとは違った美味しさが楽しめることでしょう。上記したように、モルビエは熟成をしすぎると風味が格段に落ちてしまいます。小さくカットして売られていますから、できれば一度で食べきられる分だけを買い求めましょう。余った場合は遅くとも1週間以内に食べきることをお勧めします。

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