ミモレットチーズ

意外なものが美味しさの秘密。ミモレット

ミモレットチーズ

ミモレットはオランダの代表的なチーズ「エダム」と見た目が良く似ています。実はこのミモレット、17世紀頃にオランダが一時エダムチーズに高い関税をかけ、実質輸出禁止になったときに、フランスが同じものを作り始めたものが起源だとか。どうりでそっくりなわけですね。今はフランスの北部、ベルギーとの国境を接するあたりで盛んに作られています。鮮やかなオレンジ色はベニノキから抽出されたアナト―色素によるものです。

チーズを熟成させるものは……?

半月切りにカットされて売られることが多いミモレットですが、丸のままのミモレットをみると、その外皮はまるで月の表面のようにぼこぼこと穴が開いていて、粉を吹いています。実はこれ、ダニの仕業。ミモレットの表面には「チーズダニ」が住み着いていて、このダニによってチーズが熟成していくのです。ですから温度管理がとても大変。ダニに適した温度を1年中保たなければ、ダニはあっという間に死んでしまいます。そうなれば、チーズの熟成もストップ。後はいくら寝かせようと熟成は進まないそうです。ダニが付いたものを食べるなんて、と思う人もいるかもしれませんが、ダニはチーズの表面のみに付着しているので、外皮をむいてしまえば問題はありません。それに、外皮はミモレットの味を私たちに教えてくれているのです。外皮に多くの穴が開き、粉がいっぱい吹いている状態のミモレットはまだダニが生きていて盛んに熟成をしている証。温度管理がうまくいって理想的な熟成が進んでいる証拠なのです。ですから、このようなミモレットを買い求めればその美味しさを十分に味わうことができますよ。しかし、残念なことに2013年からアメリカは生体が食物に付着していることを理由に、ミモレットを税関で差し止め続けています。このことに米国の業者や消費者は激怒して、各地で抗議行動をつづけているとか。はやく輸入が再開されて、全世界で美味しいミモレットが再び食べられるようになると良いですね。

ミモレットと日本酒の素敵な関係。

ミモレットはハードチーズですから、長期間の熟成が可能です。3か月から食べられ始めますが、熟成期間が18か月、24か月といった年単位になるものも珍しくありません。熟成が進むにつれて内部の水分が減り、時にはナイフが入らないくらい固くなってしまいます。しかし、愛好家たちはそんな風に固くなってきてからがミモレットの食べごろだ、と口をそろえるそうですよ。18か月以上たったミモレットはなぜかその味がカラスミにたとえられることが多いのです。チーズと言えばワインですが、長期熟成したミモレットは日本酒との相性も抜群。薄く切ったり、小さな塊に砕いたミモレットを口に含みながら日本酒を飲むと、ミモレットのうまみが口の中で3倍にも4倍にも膨らむそうです。日本酒大好き、というかたはぜひおつまみにミモレット、を試してみてくださいね。

食べごろが長く続くミモレット

ミモレットのもう一つの特徴は食べごろの長さです。年単位で熟成が進むので、食べごろも長く続きます。また、外皮をとってしまえば熟成がそこでストップするので自分が最もおいしいと思う時に外皮をむけば、食べきるまで味は変わりません。ただ、保存をしている間に水分が抜けきってしまい、固かったチーズがさらに固くなってしまう場合もあります。そのような時は、無理に薄く切ろうとはせずにすりおろして料理にかけたり、ドレッシングに混ぜてサラダにかけたりして使ってみてくださいね。

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