マルツォリーノ

出産時期のヒツジのミルクを使って作られたチーズ「マルツォリーノ」

マルツォリーノ

ヨーロッパのナチュラルチーズの中には季節限定で作られているものも多いですが、
マルツォリーノのもそのひとつ、かつては出産時期を迎えたヒツジのミルクだけで作られていたので、マルツォリーノ(3月)という名前が付けられたそうです。

春を呼ぶチーズ

マルツォリーノはイタリアのトスカーナ州で作られているヒツジの生乳を原料としたセミハードタイプのチーズです。ヒツジは毎年早春に出産をしますので、春の若草を食べて子供に与える時期のミルクが一番栄養価も高く味が良いのだとか。マルツォリーノはそんな時期のヒツジのミルクから作られたチーズ。マルツォリーノとはイタリア語で3月を意味します。セミハードタイプですが熟成期間が短いのでまだ水分が多めに残っていて弾力があり、風味も柔らかいです。イタリアに春を呼ぶチーズとして昔から国民に愛されてきました。

同じミルクでも季節によって味が違う?

日本人にとってミルクはまだまだ新しい食材。スーパーに並んでいるミルクは1年を通じてほぼ同じ味です。しかし、ヨーロッパの人々にとってはミルクは千年を超えるお付き合いのある食材ですから、家畜ごとの特徴や季節による味の違いもしっかりと分かっているのですね。一般的にミルクは子供を出産した直後が最も栄養価が高く、授乳期間が終わりに近づくにつれて栄養価も低くなっていきます。また、生の牧草を食べさせた時と干し草を食べさせている時ではミルクの味に差が出るのだとか。ですからチーズも原料のミルクが摂れた時期によって味に差が出るのです。特にヤギやヒツジは牛に比べて授乳期間が短く、毎年秋の終わりにはミルクを出さなくなってしまいます。ヨーロッパの人々はそれをわかっていますので、ミルクが美味しい時期にチーズを作ったり、現代ではミルクの美味しい時期に絞ったものを冷凍して1年間チーズを作るのですね。マルツォリーノはいってみればヒツジのミルクが最もおいしく、栄養価も高い時期限定のチーズ。昔の人々はチーズの出荷と共に春の訪れを感じたことでしょう。

セミハードタイプですが、フレッシュチーズのような美味しさ

マルツォリーノはセミハードタイプですが熟成期間は短く、2月後半~3月半ばにかけて作られ3月中には出荷されるチーズです。ですからフレッシュチーズのような初々しい美味しさが感じられます。さらに熟成されたことによって生のミルクにはなかったコクも生まれてきているですから、チーズ好きにはたまりません。そのまま食べても美味しいですが、ソテーにすると最高だそうです。熱が加わったことにより、旨みが余計に活性化するのでしょう。また、パスタに絡めたり、シンプルにベリー系のジャムを添えて食べる方法もお勧めです。

フルーティーなワインを合わせて

フレッシュなミルクの美味しさを十分に残したマルツォリーノにワインを合わせるならば、やはりフレッシュなブドウの旨みが残ったワインがお勧めです。タンニンの旨みが豊富なフルボディのワインと合わせてしまうと、チーズが受け止めきれません。また、ヒツジのミルク独特の酸味も強く感じられますので、すっきりとした白ワインと合わせても美味しいでしょう。酸味のほかはクセもなく、マイルドな味わいなので子供やお年寄りにもお勧めです。

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