マロット

昔ながらの素朴な味を再現したチーズ「マロット」

マロット

現在は製造技術の発達により、チーズはとても美味しくなりました。しかしその一方で昔ながらの素朴な美味しさを懐かしむ声もあるのです。マロットはそんな声にこたえて昔ながらの味を再現したチーズなのです。

素朴な山のチーズの美味しさを再現

マロットはフランスのミディ・ピレネー地方、アヴァロン県で作られているヒツジの生乳を原料としたハードタイプのチーズです。この地方は同じくヒツジの生乳を原料として作られたアオカビタイプのチーズ、ロックフォールの生産地としても知られています。マロットも原材料と熟成のさせ方はロックフォールと同じですが、ロックフォールが2000年以上の歴史があるのに対し、マロットは誕生して30年にも満たない歴史の浅いチーズです。しかし、色とりどりのカビが生えた外皮と乳白色の密度がありそうな内部の様子は現代の柔らかいチーズとは程遠いです。実はこのチーズ、この地方でチーズを作っていた11件の農家が「昔ながらの噛めば噛むほどは味があるチーズを再現したい」と作り始めたんだとか。その熱意の結果1997年、グルノーブルで開催された「山のチーズコンクール」で金賞を受賞し、世間の注目を集めるようになったのです。

作り方は昔ながらの方法で

現在のチーズは温度と湿度がしっかりと調整された清潔な専用の部屋で熟成させるものが多いですが、マロットはロックフォールと同じように洞窟の中で自然に任せて熟成させます。その結果、チーズの表面にはまるでお花畑のように様々な色のカビで覆われ、食べ物とは思えないよう状態になっています。しかし、一度ナイフを入れれば乳白色の美しい内部が顔をのぞかせます。ハードタイプのチーズですのである程度の硬さはあるのですが、水分が飛んでカサカサというわけではなく、しっとりとしています。ヒツジのミルクは牛のものと比べて脂肪分が多い分コクのあるチーズが作れるのですが、このチーズを口に含んだとき、まず感じるのはさわやかな酸味。その後でヒツジのミルク独特のコクとうまみが追いかけてきます。まるで乾物のように噛めば噛むほど味が出てくるようすに驚く方もいるのではないでしょうか。現代のチーズの脂肪分由来の旨みとはまた別の美味しさを感じられる素敵な山のチーズです。

赤ワインの他ビールと合わせても

マロットはよく噛んでこそ真のおいしさが味わえるチーズですので、何かに乗せたり料理に使ったりするより、薄く切ってそのまま食べるのが一番お勧めです。あまり厚く切りすぎると噛み切るのが大変になりますので、注意してください。お酒と合わせるのなら、しっかりとした味の赤ワインがお勧め。特にフランス南部の赤ワインが良く合うそうです。その他にはビールと合わせても良いそうですが、日本の主流である薄い金色のピルスナータイプより、スタウトなどのしっかりした味がお勧め。最近はベルギービールの人気が高まり、量販店などでも入手しやすくなったのでそちらと合わせても良いでしょう。もうすこしだけ刺激が欲しい、という場合は黒コショウを振るかほんの少しけ七味唐辛子を振ってもお酒によく合うようになります。保存する場合は切り口が渇かないようにラップで密封して冷蔵庫に入れておきましょう。外皮が気になるという方は厚めに向けば大丈夫ですよ。