マニゴディーン
夏のモンドール?「マニゴディーン」
夏の終わりから秋にかけて製造され、冬から春の初めまで販売される有名なウォッシュタイプのチーズ、モンドール。トロトロの舌触りとミルクの濃厚な味わいを1年中味わいたいという方も多いのではないでしょうか。マニゴディーンはそんな方のために作られたチーズなのです。
モンドールそっくり?
マニゴディーンはフランスのサヴォア地方で作られているウォッシュタイプのチーズです。アラヴィ地区マニゴにある、マニゴ谷で作られていることからこの名前がつきました。乳白色な外観とおなかの周りにぐるりとまいたエセピア(木の樹皮)はかの有名なウォッシュタイプのチーズモン・ドールにそっくりです。でも、モンドールが夏から秋に作られて冬の初めに販売されるのに対し、マニゴディーンは夏に販売されます。ですからマニゴディーンは夏のモンドールとも呼ばれているのですね。
モンドールよりもさっぱり?
マニゴディーンはまだ日本ではそれほど輸入されていないチーズで、知名度もモンドールよりも高くありません。ですからマニゴディーンの味を説明するのに一番良く使われるのが、「モンドールそっくり」という文句。確かによく似た作り方をしているので、マニゴディーンの味はモンドールと共通するものが多いです。でも、この2つを食べ比べてみると、マニゴディーンのほうが軽くさっぱりとした味わいで、夏向けの味に仕上がっています。決して全く同じ、というわけではないんですね。
やっぱりトロトロがおいしい
マニゴディーンは熟成が進むにつれてモンドールのように仲がトロトロにとろけてきます。
暑い時期のほうが熟成が早く進みがちですので、モンドールよりも短い期間で食べごろがやってくるでしょう。モンドールと同じものだと考えていると、うっかり食べごろを逃してしまうかもしれません。トロトロにとろけたマニゴディーンも美味しいものですが、熟成させるにつれて匂いとクセが強くなりますので、初心者はできるだけ早く食べきってしまいましょう。
辛口の白ワインに合わせて
ウォッシュタイプのチーズは味や匂いが強いですから、料理に使うよりもそのまま食べたほうが美味しくいただけます。マニゴディーンに合わせるならばきりっとした辛口の白ワインがお勧め。冷蔵庫で冷たくしたチーズと共に味わえば夏の暑さもやわらぐようなここちがします。このマニゴディーンは冬には手に入れることが難しいチーズですので、これを食べながら、モンドールに想いを馳せ、冬になってモンドールを食べながらマニゴディーンを思い出す方もいるのではないでしょうか。季節限定に近い販売方法なので、チーズショップよりもインターネット通販のほうがお求めやすいかと思います。AOCに認定されていない分、モンドールよりもお得で100グラム900円程度ですよ。また、モンドールを食べてみたいけれど、もしにおいや味が好みじゃなかったらどうしよう、と考えている方は、まずはこのマニゴディーンを食べてみて味のイメージを掴んでみてもいいですね。これがおいしいと感じられるのならば、モンドールも大丈夫ですよ。ウォッシュタイプのチーズは一度ナイフを入れたら保存がきかないので、食べきってしまってください。