ランカシャー

小説にも登場するチーズ「ランカシャー」

ランカシャー

小説に登場する飲み物や食べ物は時として、とても美味しそうに見えます。イギリスの子供向け海洋冒険小説として名高い「宝島」には、このランカシャーが何度も登場し、読む人の想像をかきたててくれるんですよ。

特殊な作り方をするチーズ

ランカシャーはイギリスのランカシャー州で作られる牛の生乳を原料としたセミハードタイプのチーズです。チェダーと外見はよく似ていますが、独特の酸味やコクがあり、これは本当に牛の生乳だけで作られたチーズの味なのだろうか?と首をひねりたくなるような、複雑な旨みがあります。この味は生乳にタンパク質を凝固させる物質を入れた後にできたカードという固形物を一晩寝かせた後、改めて作った新しいカードと混ぜてチーズを形成することにより、生まれるのです。牛乳の水分を抜き、しばらく寝かせておくと乳酸菌が発生し、ミルクにまろやかな酸味が生まれます。ヨーグルトが酸っぱさの元もこの乳酸菌なんですよ。

農家製のものはコットンが目印

チェダーと同じように、ランカシャーにも農家製と工場製があります。農家製のものはこれもチェダーと同じようにコットンを巻いて熟成させるので、コットンが巻いてあるランカシャーを見かけたら、農家製だと思ってください。このコットンはチーズを乾燥から守るため。そして、表皮の代わりにコットンの内側にはラードや脂を塗って熟成をさせるのですね。こうして出来上がったチーズは、チェダーよりも熟成期間が短い分、コクよりも爽やかさを強く感じることができます。イギリスの児童向け海洋冒険小説「宝島」のなかでは、水夫が「ランカシャーを食べたい」と頻繁につぶやくシーンが出てきますが、冬至からファンが多いチーズだったのでしょう。宝島は70年以上前から日本語に翻訳され、多くの子供に親しまれてきました。ランカシャーとはいったいどんなチーズなのか、と想像をかきたてられた方もいるでしょう。今はランカシャーはチーズショップや通信販売で手軽に買うことができます。宝島ファンの方もぜひ味わってみてください。

紅茶とのマリアージュを楽しんで

ランカシャーはポートワインと楽しむと美味しい、と紹介されることが多いですが、イギリスでは紅茶と一緒に食べられることも少なくありません。イギリスは紅茶の国。しかもミルクをたっぷり入れて飲むことが多いですから、チーズとよりマッチするんですね。紅茶とチーズ、とくれば欲しくなるのはパン。そこで、イギリス風チーズトーストを作ってみるのはいかがでしょうか。チーズにビール、ウスターソース、卵黄を混ぜたものをパンに塗って焼くだけの簡単なものですから、朝の忙しい時でも作ることができます。チェダーチーズで作るのが一般的ですが、ランチェスターで作っても美味しいんですよ。お子様向けに作る場合は、ビールを抜くか少なめにしてアルコールをしっかりと飛ばしてあげましょう。もちろんトマトやレタスとともにはさむ普通のサンドイッチでも十分においしいです。紅茶とサンドイッチで朝食やおやつを楽しめば、気分はまるで英国、のようになるかもしれません。ランカシャーは10キログラムの大きなチーズですが、日本で売る場合100グラム単位に小分けされて売られます。日本に輸入された時点で製造からある程度の時間がたっていますから、できるだけ早く食べましょう。

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