ラ・ロッサ

日本とイタリアの合作?桜の葉でつつまれたチーズ「ラ・ロッサ」

ラ・ロッサ

ヨーロッパで作られているチーズの中には栗やイチジクの葉に包まれて熟成させるものも多いです。ラ・ロッサもそのひとつ。しかもこのチーズを包んでいるのは日本の大島桜の葉なのです。

桜の香りのするシェーブルタイプのチーズ

イタリアのピエモンテ州にあるコーラ社が製造しているヤギの生乳を原料としたラ・ロッサはシェーブルタイプのチーズです。もともとピエモンテ州のランゲ地方にはロビオラという栗やイチジクの葉に包んで熟成させる長い歴史を持ったウォッシュタイプのチーズがありました。ラビオラは日本にもファンが多く、コーラ社の職員が日本に視察に訪れた際、日本のチーズ輸入販売会社が桜の葉の塩漬けを職員に紹介したのが開発のきっかけといわれています。つまり、日本人向けにイタリアの会社が開発してくれたチーズなのですね。
試行錯誤の末満足のいくチーズが完成しましたが、イタリアには日本のように桜の葉を大量に手に入れることができません。そこで西伊豆の「オオシマザクラ」の塩漬けを日本からイタリアへ空輸し、チーズを製造するようになったのです。まさに日本とイタリアの合作チーズですね。

春らしいさわやかな香り

ラ・ロッサはチーズの内部にも桜の葉のみじん切りが練り込まれています。ですから外側だけでなく内側からも桜の葉の爽やかな香りを感じられるようになっているのですね。日本では桜の葉の塩漬け、というと桜餅ですがラ・ロッサからもこの桜餅とよく似たかおりがします。これが桜の葉の香りだったのかと改めて気づかされることでしょう。ヤギの生乳で作られたチーズは、牛の生乳で作られたものより脂肪分が低く、さっぱりとした味わいです。また、シェーブルタイプのチーズな独特な匂いが苦手、という方も多いのですが、桜の葉でつつむことによりその匂いが抑えられ、食べやすくなってもいます。シェーブルタイプのチーズが苦手、という方やシェーブルタイプのチーズに初挑戦という方にもお勧めですよ。さらに、コール社は売り出した初年度こそロビオラのように丸い形のチーズを桜の葉に包みましたが、翌年からは寿司を意識した丸みを帯びた長方形にしたり、三角形にしたり、キューブ型にしたりと工夫を凝らしています。そのうえ出荷する際には赤いリボンがチーズにかわいく結ばれるのでプレゼントとしても最適でしょう。ラ・ロッサは2006年度からヨーロッパのチーズ品評会にも度々出品され高い評価を得ています。今後はヨーロッパでの販売数も増えるかもしれません。

濃厚なコクとトロリとした舌触り

ヤギのミルクは牛のものに比べると脂肪分が少なく、ビフィズス菌が多いという特徴があります。ですからシェーブルタイプのチーズは牛の生乳で作られたチーズよりもポロポロとした食感で、独特の酸味があるのです。しかし、カブリ・アリエジョワはモンドールと同じようにスプーンですくって食べなくてはならないくらいトロトロしています。長い間熟成させるので塩味が効いていますが、その奥にミルクの甘みもしっかり感じられ、濃厚なコクもあります。本当にシェーブルタイプのチーズなのか、と思いたくなるほど、シェーブルタイプの特徴とはかけ離れた味と舌触り。色々なチーズを食べてきたので、変わり種が食べてみたい、という方にはぴったりです。

淡い味わいのワインと合わせて

ラ・ロッサは何か料理に使うよりは、そのまま食べるのが一番チーズの特徴である桜の香りを楽しむことができるでしょう。酸味が苦手というかたははちみつを少し垂らしてお菓子感覚で食べるのもお勧めです。ヨーロッパではチーズをデザートとして食べますが、このチーズならば食後のお菓子代わりにもピッタリかもしれません。ワインと合わせるならば淡い味のロゼワインや白ワインと。せっかく国産の桜の葉の塩漬けが使われていますから、輸入ワインよりも山梨や信州のワインと合わせてみてはいかがでしょうか。ナイアガラを原料とした甘口のスパークリングワインなどがお勧めです。お花見のお弁当にしても場が盛り上がるかもしれません。

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