ジャック・クリーク

不思議なフルーティーさを持つチーズ「ジャッククリーク」

ジャック・クリーク

チーズを作ったり、プロデュースしたりする職人のことを「熟成士」ともいうそうです。現在、新しいチーズを作って売りだしているのはこの熟成士たちといっても過言ではありません。ジャッククリークもそのひとつ。サクランボで作ったビールでウォッシュしたチーズからは不思議なフルーティーさが感じられます。

酸っぱいビールで洗ったチーズ

ベルギーのエノ―州で作られているヒツジの生乳を原料としたジャッククリークはウォッシュタイプのチーズです。これを作ったのはジャッキーカンジという熟成士。彼は色々なチーズをプロデュースしていますが、フルーツを使ったチーズ作りを得意にしているようです。ジャッククリークにももちろんフルーツが使われています。このチーズはベルギー特産のビールで表面を洗い熟成しているのですが、そのビールが「カンティヨン・クリーク」というチェリーが原料に加わっているビールなのです。日本では「サクランボのビール」と紹介されることが多いですね。麦芽とホップだけで作られたビールもある程度の酸味がありますが、このクリークビールは思わずほほがつぼまってしまうほどの酸っぱさがあります。でも、爽快感は抜群。夏に清涼飲料水のようにビールです。そんなビールで表面を洗ったチーズはちょっと不思議な紫色に染まっていて一見するとワインで洗ったように見えます。

独特の味わいは慣れればくせになるかも

日本ではチーズは野菜やハムなどと合わせられることが多いですが、ヨーロッパではデザートとして果物と合わせることも多いです。レーズンなどのドライフルーツが練り込まれたクリームチーズを見たことがある、という方も多いでしょう。ヨーロッパではアオカビタイプなどのかなり塩気の強いチーズでも果物と合わせることが多いので、初めて見る方はびっくりするかもしれません。ジャッククリークは果物の甘さはほとんど感じられませんが、一口口に含むと鼻の奥のほうで爽やかな香りが漂います。これがチーズの程よいアクセントになっているのですが、肝心なチーズの味のほうはかなり個性的。もともと羊の生乳で作られたチーズは牛の生乳で作られたものよりも脂肪分が高く、コクがあり独特の獣臭が強いです。しかも熟成が進むとピリッとした辛みが出てきて初心者には食べづらくなるのです。ウォッシュタイプのチーズはお酒で洗うことで匂いが強くなるものが多いですが、ジャッククリークは味のほうにもかなりの癖がついています。日本人になじみがあるもので例えると、古漬けのたくあんといったところでしょうか。初心者はおいしいとは思いにくい味ですが、ヒツジの生乳製のチーズに食べなれな人ならば「おいしい」と思いやすいかもしれません。しかし、味になれてくると癖の奥にある旨みを感じられるようになるでしょう。

チェリーのジャムを添えてどうぞ

ジャッククリークはウォッシュタイプのチーズですが、スプーンですくわなくてはならないほどトロトロになることはありません。ですから薄く切り分けて食べるのが一般的です。料理に使うにはちょっと味が強すぎる気がしますが、お好きな方はクラッカーやパンにつけて食べても良いでしょう。現地ではチェリーのジャムをつけて食べるのが一般的だそうです。買ったけれど癖が強すぎる、という場合は甘みの強いジャムが癖を隠してくれるので、一度試してみてください。

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