ガローチャチーズ

絶滅一歩手前だったヤギ乳のチーズ ガローチャ

ガローチャチーズ

作り手の減少などにより、絶滅の危機に陥ったというチーズは少なくありません。ガローチャもまた、華麗なる復活を遂げたチーズなのです。

山深い村で作られていたチーズ

ガローチャチーズは、スペインのピレネー山脈の麓のガローチャ村で昔から作られてきたチーズです。このあたりはスペインの中では雨が多く、様々な植物が群生する地域ですが、岩場が多いため、牧草を育てるには不向きな土地でした。そこで、牛の代わりに飼育が盛んになったのはヤギ。ガローチャの原料もヤギの生乳です。ヤギのチーズは小さな塊で作られるものが多いのですが、ガローチャは一個が1キログラムもあるかなりの大型。しっとりと締まったクリーム色をしたセミハードタイプのチーズです。

組合の努力がチーズを救った。

昔はチーズといえば、各家庭や小規模な工房で作られるものでした。しかし、近代になると大規模な工場生産にシフトしていき、一部の地域で細々と生産されていた昔ながらのチーズが急速に姿を消していったのです。ガローチャも例外ではありませんでした。しかし、1980年代にこうした小規模生産のチーズのリバイバル運動が盛んになり、加えて山羊牧畜協同組合の村おこし、町おこしの努力の一環として、ガローチャチーズは華麗に復活したのです。

外側と内側の落差が特徴

ガローチャチーズの特徴は、外皮をびっしりと覆う灰色のカビ。シロカビやアオカビは珍しくありませんが、灰色のカビというのはこのチーズだけでしょう。ヤギのチーズは保存性を高めるために、灰がまぶされていることがありますがそれよりもずっとももこもことした感触で、言葉は悪いですが汚らしく見えます。しかも、熟成が進むとこの灰色のカビに交じって蛍光イエローをした斑点状のカビが現れることもあるそうです。こうなるとスペイン人は「外皮に花が咲いた」とよろこぶとか。もちろんこの外皮は食べることはできません。食卓に乗せる前にしっかりと厚めに皮をむくそうです。しかし、ナイフを入れると断面はしっとりとした美しいミルク色。まるでキウイフルーツのように外側と内側の落差が激しいチーズなのです。
ヤギのチーズというと独特な匂いがするものが多いのですが、ガローチャはヨーグルトのような爽やかな酸味を含んだ香りがします。味は酸味と甘みのバランスが良く、後口はナッツを思わせるコクがあります。外皮からは想像がつかない上品な味なんですね。熟成が進むにつれて、味は濃厚さを増しますが同時に匂いも強くなっていきますので、初心者は若いうちに食べたほうが良いそうです。

スペインのスパークリングワイン カヴァと合わせて。

このチーズはヤギのチーズには珍しく発泡性のワインと良く合います。特にスペイン産の発泡ワイン「カヴァ」はガローチャチーズと産地も近く、地元でもよく一緒に食べられているとか。カヴァは日本でも気軽に手に入れられるワインですよね。このワインとガローチャチーズを一緒に食べると、酸味が消えて甘みが引き立ち、後口がさっぱりするそうです。暑い夏の食欲が減退しがちな時期はスペインの方はカヴァとカローチャチーズを食べて、乗り切るんだとか。そう聞くとぜひ残暑厳しい時期に食べてみたい組み合わせですね。

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