エティヴァ

限定生産のハードタイプのチーズ「エティヴァ」

エティヴァ

スイスは国土の多くが山ですから、フランスに比べてハードタイプのチーズが多いのが特徴です。その中でもこのエディヴァはグリュイエールの一種なのですが、生産時期が限定されていて、なおかつ昔ながらの製法を守っているという特別なチーズなのです。

スイスのAOC第一号

フランスと同じようにスイスにもAOC(産地統制名称)と呼ばれる制度があります。これはチーズの品質を守るための制度で、認定されたチーズは原料となる生乳の産地から、作り方に至るまで厳格に指定されるのですが、エディヴァはこのスイスのAOCに認定された記念すべき第一号のチーズなのです。

生産は夏季だけ

エディヴァはチーズの種類で言うとグリュイエールとほぼ同じものです。しかし、スイスのヴォー州の標高1000~2000mのアルプスの高地に5月10日~10月10日まで放牧した牛の無殺菌乳を原料として作られたものだけをエディヴァと呼ぶのです。しかも、チーズを加熱する時は銅鍋で行い、燃料はまきを使うことまで定められています。エディヴァが作られ始めた12世紀の頃の製造方法を今でもしっかりと守っているのですね。こうして出来上がった若いチーズは塩水につけられ、モミの木の一種であるエセピアの上で最低135日熟成されて出来上がるのです。市場に出回るものはもう少し長く熟成されたものが多く、18か月程度の物が手に入りやすいようですね。

ミルクの美味しさが凝縮したチーズ

こうして丁寧に作られたエディヴァはミルクの旨味がぎゅっと凝縮したような濃厚なうまみが特徴です。また、表面を塩水で洗い長期熟成させるタイプのチーズは表皮から独特のクセのある匂いがすることが多いのですが、エディヴァの場合はそのような臭いがあまりしません。その代り熟したリンゴのようなフルーティーな香りがするのです。「グリュエールの一種ですか」と軽い気持ちで味わうと、その美味しさにびっくりするかもしれませんね。さらに、グリュエールは滑らかな舌触りなのですが、エディヴァの場合はパルジャミーノ・レッジャーノのようにところどころにアミノ酸の塊ができているものもあります。そのため、時にジャリジャリとした舌触りのところがありますが、それもまた旨味のアクセントになっているのですね。

少し甘めのワインがぴったり

エディヴァはそのまま味わうほかに、スイスの代表的なチーズ料理、チーズ・フィンヂュにグリュエールと共に加えても美味しく頂けます。ほんの少しエディヴァを加えただけでぐんと風味が力強くなるそうですよ。また、エディヴァの産地では毎年エディヴァの生産の時期になると朝4時~5時くらいに乳搾りなどの作業が始まり、10時ごろまで休まず働き続けるそうです。そして、その後お砂糖やはちみつを入れた紅茶とエディヴァで朝食をとるのだとか。チーズに合う飲み物というとワインやビールなど辛口のものを想像しがちですが、エディヴァの芳醇な旨味は甘い飲み物とも合うのですね。ですから、ワインと合わせる時は辛口やフルボディのしっかりとしたものより、甘くフルーティーな物の方が合わせやすいのです。また、日本酒や焼酎との相性も良いそうですが、やはり端麗辛口の物よりもちょっと甘口の物の方がチーズの旨味が引き立つんですよ。ぜひ試してみて下さいね。

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