シャロレチーズ

2010年にAOCを獲得したチーズ「シャロレ」

シャロレチーズ

みっちりと目が詰まった重量感のあるヤギのチーズシャロレ。元々はまずしい農家の救荒食でしたが、2010年、はれてフランスの原産地呼称制度であるAOCを獲得しました。

貧しい農民の暮らしの知恵から生まれたチーズ

シャロレはフランスのブルゴーニュ地方で16世紀ごろから製造が始まりました。この地方の牧畜、というと牛が一般的ですがシャロレはヤギの生乳から作られたシェーブルタイプのチーズです。実はシャロレは元々土地を持てない貧しい農民たちが作り始めたチーズ。豊かな牧草地は大地主のものですから、貧しい農民たちは誰のものでもない路傍で山羊を飼い始めました。シャロレはその生乳から作られたのです。20世紀になり、大地主と小作といった区別はなくなり、牛とヤギは別々に飼われるようになりましたが、チーズ作りはそのまま農家の特産物として引き継がれていったのですね。

4日間かけて水分と固形物を分離する

シャロレはずっしりと詰まった中身が特徴のチーズですが、その秘密は作り方にあります。チーズは生乳にタンパク質凝固物質を加えて、水分(ホエー、乳清)と固形分(カート)が分離をしてきたら、重しをかけて水分を抜きます。通常は一回、数時間で終わる作業をシャロレは4日間にわたって繰り返すのです。細長い型に生乳を入れ、重しをかけて水分を抜き、体積が減った分だけまた生乳を足す。それを繰り返すことでずっしりとしたチーズが出来上がるのです。シェーブルタイプのチーズはひとつが60グラム~100グラムと小ぶりなものがおおいのですが、シャロレは一個250グラム~300グラムと大ぶりです。ヤギの生乳で作ったチーズは、牛の生乳で作ったチーズよりももろいので小さくまとめることが多いのですが、時間をかけて型抜きをすることで大振りなチーズができあがるのですね。
その分シャロレは普通のシェーブルタイプのチーズより熟成に時間がかかり、熟成をしている間にチーズは水分が抜けて一回りちぢみ、表面には灰色のカビが生えてきます。

濃厚なナッツのような風味が特徴

ヤギの生乳で作られたチーズは、独特の酸味が特徴です。シャルレも若い頃はさわやかな酸味があり、熟成するにしたがってナッツのような風味が出てきます。コクのあるチーズが好きな方は、熟成をしたものの方が美味しく感じられるかもしれません。しかし、あまり熟成させすぎると水分が抜けすぎて、チーズというより干物といった感じのものになってしまいますので、弾力が残っているうちに食べましょう。

AOCに認定されたことで世界へ

シャロレは元々地元で生産され、地元で消費されるチーズでした。ですからフランス国内でもあまり知られていなかったのです。しかし、2010年に念願のAOCを獲得したことにより、一気に知名度が上がりました。日本への輸出もその頃を境に増えたようです。現在、シャロレを作っている農家は724軒あり、AOCで定められたヤギの放牧方法やチーズの作り方にそってシャロレを生産しています。ヤギは牛と違って、毎年春~秋にかけてしかミルクを出しません。ですから、チーズ作りも春から秋まで。春に取れたミルクで作ったシャロレは8月~9月頃が一番おいしいと言われています。シャロレを買うのならば、ぜひこの季節に買い求めてみてください。また、生産地に行くとまるでお豆腐のような出来立てのシャロレを食べることもできるそうです。

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