ブッラータ

チーズの中にチーズを入れる?「ブッラータ」

ブッラータ

イタリアを代表するフレッシュチーズといえばモッツアレラやリコッタですが、最近海外でも注目を集めるようになったフレッシュチーズがこのブッラータです。消費期限が短いために今までは国内でしかあまり消費されませんでしたが、輸送手段の発達により今では日本でも楽しむことができるのです。

チーズの中にチーズを入れる独特の製法

イタリアのプーリア州ムルジャ地方の町、アンドリアが発祥の地とされるブッラータは、フレッシュタイプのチーズです。ブッラータはイタリア語でバターのような、という意味でその名の通りフレッシュチーズの中では脂肪分が高く、こってりとした味わいが特徴です。ブッラータの歴史は比較的新しく、作られ始めたのは1920年代、アンドリア町で地元で消費されるためだけにつくったものが始まりでした。その作り方はモッツアレラチーズを良く伸ばして袋状にし、その中に砕いたモッツアレラチーズと生クリームを入れ口を縛る、というもの。チーズの中にチーズを入れてしまうなんて並みの発想ではありません。伝統的な作り方だとこの後にアスフォデルというポロネギに似た葉っぱでチーズを包み、この葉っぱが枯れるまでに食べてください、と販売したそうです。その後1950年代になると余ったモッツアレラチーズの有効な利用法として他の地域でも作られるようになりましたが、大量生産ができないことと、消費期限がわずか2日程度ということで国外までにはなかなか広まりませんでした。しかし今では冷凍技術や輸送技術の進歩により、日本でも手に入るようになってきています。

真っ白なチーズはまるでお豆腐のよう

モッツアレラはイタリア料理の流行と共に、私たちのだいぶ身近なチーズになりました。しかしブッラータはモッツアレラよりもさらにクリーミーで柔らかいのです。まるでざる豆腐のような円形状の真っ白なチーズにナイフを入れるとクリーム状になった中身がトロリと溢れ出すのです。その様子は黄身のない温泉卵、といった感じでしょうか。そのまま味わうとミルクの甘みと生クリームのコクが口いっぱいに広がります。味のベースはモッツアレラチーズですので、楽しみ方はそれと一緒。オリーブオイルを垂らしたり、塩こしょうで味をつけたり、生ハムにまいて食べたりと色々な食べ方をすることができます。日本では冷凍されたものが輸入されてきますので、まずは室温で12時間程度じっくり回答してお楽しみください。

実は日本でも作られている?

しかしいくら冷凍技術が発達してきた、といっても鮮度が命の食べ物を時間をかけて運んでくると味が落ちてしまいます。また、イタリアの国内向けのブッラータに使われている生クリームは液状なのに、輸出用の生クリームは冷凍しても美味しく食べられるようにホイップ状にされているものもあり、厳密に言えば別物なのです。長い間本当に美味しいブッラータを食べたければイタリアに行くしかなかったのですが、今は日本の小さなチーズ工房の中にはブッラータ風のチーズを作っているところもあります。イタリア産のものでなくてもいいから、新鮮なブッラータ風チーズが食べたい、というときはそのような工房で作られているものを買い求めてみても良いでしょう。淡泊なチーズですのでワインは軽めでフルーティーなものと合わせてみてください。

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