ブリナータ

まるでお豆腐のような柔らかく熟成されたチーズ「ブリナータ」

ブリナータ

チーズも国によって作られる種類に差があり、イタリアではフランスほどシロカビタイプのチーズは作られてきませんでした。このブリナータはまだ製造が始まって20年ほどの新しいチーズ。まるで霜のようなふわふわのシロカビが特徴です。

ヒツジのチーズの名産地で誕生した新しいチーズ

イタリアのトスカーナ州で作られているヒツジの生乳を原料としたブリナータは、シロカビタイプのチーズです。トスカーナ州といえば「ペコリーノ」と呼ばれるヒツジの生乳を原料としたチーズの名産地として有名ですね。でもペコリーノといえばハードやセミハードタイプのものが多くシロカビタイプのものは珍しいのです。このチーズが誕生したのは1990年代後半。まだ製造が始まって25年ほどですが日本をはじめ外国に輸出されるほど製造量が順調に伸びてきています。元々トスカーナ州ではラヴェッジョーロとも呼ばれる出来立てのフレッシュなペコリーノが一番の人気でした。しかし、フレッシュタイプのチーズは水分も多く、保存がききません。そこでタンパク質凝固物質を添加した生乳からゆっくりチーズの元になるカードという固形物を水分から分離させ、白カビを丁寧に吹き付けることによって乾燥を防ぎながら熟成させるチーズを作ったのです。つまりブリターナはできたてのフレッシュなチーズが持つ柔らかさとみずみずしさを持ちながら、熟成された複雑な風味と味を持つ長期保存の可能な素晴らしいチーズなのです。

ナイフを入れるととろけるくらいに柔らかい

カマンベールをはじめとする多くのシロカビタイプのチーズは熟成が進むにつれて柔らかくなっていきます。しかしブリナータは逆に若いもののほうが柔らかく、ナイフを入れるととろけるくらいです。絹ごし豆腐をほんの少し硬くしたような歯触りで、ほとんど噛む必要がないくらいです。塩味も薄くそのまま食べるのはちょっと物足りないかもしれません。これをくせがなくて美味しいと評するか、なんとなく物足りないと評するかは人によるでしょう。でも、外国産のナチュラルチーズが初めて、という人の入門編としてはぴったりのチーズです。トスカーナは生ハム(プロシュート)の名産地でもありますので、まるでメロンのようにチーズを巻いて食べるのが現地流なのだとか。また、パンの上に乗せて焼いても香ばしい風味が出てお勧めだそうです。

熟成するとシロカビが枯れてくる

ブリナータは「霜のような」と例えられる真っ白な美しいシロカビが特徴なのですが、熟成が進むにつれてこのシロカビが茶色く枯れてきます。それに伴いチーズの水分が抜け、硬く締まってくるのです。また、ヒツジの生乳が原料のチーズは熟成が進むと独特の辛みが出てくるのですが、ブリナータはこの辛み成分が薄く、その代わりに弾力が増してお持ちのようにもっちりとしてきます。チーズの味も水分が飛んだ分ギュッと濃縮されてコクがまし、塩味が強くなります。チーズを食べなれた人にはこちらのほうが美味しいと感じられるかもしれません。熟成が進んだブリナータはリゾットやパスタの風味づけに使われることも多いですが、もちろんそのまま食べても十分美味しいです。ワインと合わせるならブドウの風味が残るフルーティーなライトボディのものが良いでしょう。

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