ブーレット・ダヴェンヌ

ワインよりビールが似合うチーズ

ブーレット・ダヴェンヌ

フランスとベルギーの国境付近で作られているウォッシュタイプのチーズは、ワインよりもビールに良く合うピリッとスパイシーなチーズです。

きっかけはリサイクル?

フランス北部、ベルギーにほど近いフランドル地方のアヴェンヌ。この地方で作られているウォッシュチーズといえばAOC(フランスの原産地呼称統制)に認定されたマロワールというチーズが有名です。ブーレット・ダヴェンヌはそのアレンジ版。熟成途中に崩れてしまい、売り物にならないわかいマロワーヌにハーブやスパイスを加えて円錐状に形を整えて、パプリカ で着色をしたのです。ブーレット・ダヴェンヌとは、「アヴェンヌの街のだんご」という意味。なんだ、チーズのリサイクルかなどとは思わないで下さいね。ハーブとスパイスを加えたことによって、フランスのチーズには珍しくパンチの効いたチーズに仕上がってマロワールとはまた違った美味しさがあるのです。

AOC認定チーズであるが故の苦労

AOCに認定されるということは大変名誉なことです。国に品質を保証してもらったことになりますから、そのチーズが「美味しい」と胸を張って国内にも国外にもアピールできるのです。しかし、AOCに認定された故の苦労もあります。AOCに認定されるチーズの多くは伝統的な作り方を守ってチーズを作っています。伝統的なチーズ作りとは、自然任せの工程が多いということ。天候などが不順だったり、菌の育成がうまくいかなかったりすると、完成したチーズはAOCの基準を満たせません。このようなチーズはAOCに認定されたチーズの名前を名乗れず、単に羊のチーズ、ヤギのチーズ、牛のチーズとしてプロセスチーズの原料にされてしまうことが多いのです。しかし、マロワールのようにウォッシュチーズの場合は表面をお酒や塩水で洗いながら熟成させます。この場合は失敗してもプロセスチーズに再利用することが難しいので、ブーレット・ダヴェンヌのように別のチーズとして生まれ変わります。品質は守りたい、しかし、作りかけのチーズは無駄にしたくない。こんな人々の願いと工夫がブーレット・ダヴェンヌのようなチーズを作り上げたのです。

ハーブとスパイスが織りなすパンチの効いた味

ブーレット・ダヴェンヌは熟成がうまくいかなかったマロワールをリサイクルして作られるものです。ですから、これ以上熟成させることは難しいく、若いチーズ特有の物足りなさがあります。それを補うために入れられているのが胡椒とエストラゴン、パセリ、クローブなどのハーブとスパイス。これでもかというくらいたっぷりと入れるので、人によっては「なんだか漢方薬くさい」と思う方もいるそうです。また、保存性を高めるために塩も多めに使われているため、かなり塩分の強いチーズに仕上がっています。そのパンチの効いた味はワインよりもビールにぴったり。アヴェンヌはベルギーにも近いので、ベルギービールでこのチーズを味わうのもまた一興でしょう。
ワインならばフルボディのしっかりとした味わいのものを選ぶとチーズにも負けません。

ジャガイモと合わせて

スパイシーで塩分の効いたチーズというのはそのままで食べるよりも料理に合わせたほうが美味しくいただけます。現地ではゆでてつぶしたジャガイモに混ぜて食べるのが一般的だそうです。スパイシーなポテトサラダといった感じでしょうか。これもまたビールに良く合うことでしょう。

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