ベルパー・クノール・アルト

調味料として使うチーズ「ベルパー・クノール・アルト」

ベルパー・クノール・アルト

ヨーロッパ産のナチュラルチーズの中には長い間熟成させ、硬くなったハードタイプのチーズがたくさんあります。特にスイスやスペインなど国土に山岳地帯が多い国のチーズほど保存性を高めるために水分を極限まで飛ばしたチーズが作られるようです。ベルパー・クノール・アルトはその究極版。カンナのような器具で削って食べる超硬質のチーズです。

まるでかつお節のようなチーズ

スペインのベルン州で作られる牛の生乳を原料とした超硬質のベルパー・クノール・アルトはハードタイプのチーズです。さぞかし歴史があるチーズかと思いきや、案外新しく製造が始まったのは第二次世界大戦後。でも、昔ながらの製法を作って作られています。原料は低温殺菌をした牛の生乳と地元産のニンニク、ブラックペッパー、そしてなぜかヒマラヤの岩塩を加えて時間をかけて固め、水分を抜いていきます。地元で消費される分は出来立てのほやほや、フレッシュチーズタイプのものもあるそうですが、今回ご紹介するのは、それを半年以上熟成させたもの。チーズは熟成させるほど硬くなり、アミノ酸が結晶化してじゃりじゃりとした舌触りになりますが、このチーズの硬さは尋常ではありません。どのくらい硬いか、というとナイフが通らないくらいです。表面にびっしりとカビが生えた様子はチーズというより石の塊です。「こんなの本当に食べられるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、このチーズはそのまま食べることはせず、カンナのような削り器で削り、調味料のように使うのです。まるでかつお節のようですね。

チーズをのせることでただの野菜がサラダになる。

ベルパー・クノール・アルトの使い方は本当にかつお節にそっくりです。ちょっとコクが足りないな。もうひと味欲しいな、という時にチーズをかけるとたちまちおいしくなる。日本でもゆでた野菜に鰹節をかけおひたしにしますが、スイスでは適当なあまり野菜にこのチーズをかけたものをサラダとして出すこともあるそうです。特に相性が良いのはトマトやレタスで、シーザーサラダよりもコクのある味わいのサラダがあっという間にできあがります。使い慣れてくると「これでだしが取れないだろうか」と考えたくなる人が多い、というのもうなずける話ですよ。実際、単なるお湯にいれると溶けてしまいますが、コンソメスープやポタージュスープにいれてみると、味がぐっとよくなります。

日本酒にも合う?

長期熟成したチーズというのは、独特の醗酵臭やクセが出てくるものも多いですが。ベルパー・クノール・アルトは熟成された時間を考えると驚くほどクセがありません。ミルクのコクと甘みを究極まで凝縮したようなひたすら穏やかな味わいに、ニンニクとブラックペッパーが程よいアクセントを加えています。今は100グラム1000円程度と輸入物のナチュラルチーズによくある価格ですが、もっと安くなれば調味料として人気が出そうです。
日本では「粉チーズ」をパスタやピザにかけてコクを出す、という方が多いですがベルパー・クノール・アルトはそれよりもずっと多くの食材に合うチーズです。湯豆腐などのトッピングにしてもお勧め。淡い味わいの豆腐がぐっと力強い味になり、濁り酒にぴったりのおつまみになります。