アズィアーゴ・ダッレーヴォ

高地の貴重な越冬食だったチーズ「アズィアーゴ・ダッレーヴォ」

アズィアーゴ・ダッレーヴォ

イタリアの北部、標高1000mを超える地域で作られているアズィアーゴ・ダッレーヴォはハードタイプのチーズで、冬季の貴重な保存食として500年以上の歴史のあるチーズです。昔は羊の乳で作られていましたが、16世紀ごろには牛の生乳から作られるようになりました。最近では20日間程度の熟成で食べられるタイプも登場して、イタリア全土で流通しています。

高地の越冬食料だったチーズ

イタリア、というと青い空と海というイメージがありますがアズィアーゴ・ダッレーヴォの生産地、ヴェネト州のアズィアーゴ村は標高1000mを超える高地にあります。当然冬の寒さは厳しく、食べ物は碌にありません。長期保存ができるチーズは大切な越冬食だったのですね。アズィアーゴ・ダッレーヴォはその昔は羊の生乳から作られていたそうですが、16世紀ごろには牛の生乳のみから作られるようになりました。

イタリア全土に流通をしているけれど

現在、アズィアーゴという名のチーズはイタリア全土に流通をしています。しかし、よく見かけられるのはアズィアーゴ・プレッサートという新しい製法で作られたチーズ。こちらは製造後約20日から食べることができます。一方アズィアーゴ・ダッレーヴォの方は熟成期間が最低でも数か月、長ければ数年というものもあります。作り方も違っていて、アズィアーゴ・ダッレーヴォの方はタンパク質凝固物質を入れた後に固まったカートを撹拌し、そのまま型に入れて重しをかけて水分を抜きます。そしてそのまま表面を磨きながら熟成させていくのです。こうして出来上がったチーズは弾力が無くてボロボロとした食感。イタリアを代表するチーズパルジャミーノとよく似ていますが、すりおろしたりせず薄切りにして味わうことが多いようです。特に年単位で熟成されたものはかみしめるごとに旨味が口の中に広がります。

アズィアーゴ・プレッサートも十分においしい

さて、このように書いてきてしまうと、新しい製法で作られたアズィアーゴ・プレッサートは、アズィアーゴ・ダッレーヴォの代用品のように思われてしまいそうです。でも、アズィアーゴ・プレッサートも十分においしいチーズです。こちらはチーズの表面にいくつものチーズアイと呼ばれる気泡が開いているのが特徴。もっちりとした舌触りで優しい酸味と甘みが特徴です。そのまま食べるほか、サンドイッチのグザイにしたりチーズフライにしたりと料理法もバラエティに富んでいて、イタリア国民から愛されているチーズなんですよ。

日本酒との相性も抜群

アズィアーゴ・ダッレーヴォに話を戻しましょう。旨味の塊のようなこのチーズは、ワインだけでなく日本酒との相性も抜群。何かと合わせなくてもそのまま薄切りするだけで絶好のおつまみになります。また、豆腐と一緒にあわせて軽くあぶると淡白な豆腐にチーズのコクが加わった美味しいおつまみが出来上がりますよ。ワインと合わせるならば赤白どちらでも大丈夫ですが、軽くフルーティーなワインだとチーズの旨味に負けてしまいます。フルボディのどっしりとした赤ワインか一本芯の通ったキレのある辛口の白ワインと合わせてみましょう。また、このチーズはちびちびと食べるチーズですが、乾燥は大敵。冷蔵庫で保存する場合は密閉できる容器に入れて乾燥を防ぎましょう。