アローム・ド・リヨン

フレッシュチーズを酒粕につけたチーズ「アローム・ド・リヨン」

アローム・ド・リヨン

日本には、日本酒の搾りかすにつけた粕漬という保存食がありますが、チーズにもワインの搾りかすにつけたものがあります。逸話として有名なのが、第一次世界大戦の時、兵隊に貴重な食糧であるチーズを奪われるのを恐れた農民が、とっさの隠し場所としてワインの搾りかすの中にチーズを埋め込んだら、おいしくなったというもの。しかし、それ以前にも細々と各国でチーズのワイン粕漬は作り続けられていたのでしょう。アローム・ド・リヨンはフランス製のチーズの粕漬。チーズ単体だけにはない豊かな風味と味わいが特徴です。

見た目はあまり良くないけれど。

アローム・ド・リヨンはローヌ・アルプ地方で作られている牛の生乳を原料としたフレッシュタイプのチーズです。フレッシュタイプのチーズは熟成をしていないので、ヨーロッパのナチュラルチーズにありがちなクセや匂いがなく、あっさりしている分日持ちがしないため、あまり輸出に向いていません。しかし、このアローム・ド・リヨンはワインの搾りかす、つまり酒粕につけられているためアルコールの効果で日持ちがするのです。ちなみにチーズの周りにはボロボロとした赤っぽい何かがくっついていて、あまり見目麗しくありませんが、これは白ブドウなんですね。ちなみに同じ名前のシェーブルタイプのチーズもありますので、チーズショップで買い求める際は注意してください。

どこか懐かしい風味

アローム・ド・リヨンの特徴は何といっても香り。パッケージを開くとアルコールの香りが辺りに広がります。でも、どこかで嗅いだ香り、と思う方もいるかもしれません。ワインと日本酒の違いはあれ、やはり酒粕につけたものというのはどこかに通った風味をもつものなのでしょう。このチーズの香りは日本酒の粕漬そっくりです。また、フレッシュチーズの爽やかなミルクの風味に加わった酸味と甘みもやはりどこか粕漬と似ています。粕漬が大好き、という人ならばこのチーズは一口食べただけで気にいるのではないでしょうか。ちなみに周りのブドウの滓は食べることができます。プチプチとした種の食感が良いアクセントになりますが、苦手、という方は払って食べても良いでしょう。

ボジョレーヌーボーと合わせて

チーズに合うお酒といえば、ワインですが、熟成してない分コクが少ないフレッシュタイプのチーズに合わせるワインは案外選び方が難しいのです。渋すぎたりどっしりと濃厚な風味がありすぎるワインではチーズが受け止めきれません。逆に軽すぎるワインですと、チーズの風味が優ってバランスが崩れてしまいます。そこでお勧めなのがボジョレー・ヌーボー。今年のワインのできを占う熟成させないフレッシュなワインです。同じフレッシュなもの同士を組み合わせるのですから、合わないわけはありません。毎年ボジョレー・ヌーボーのおつまみ選びに苦労をしている、という方はぜひこのチーズを試してみてください。また、日本酒の新酒に合わせてもこのチーズはおいしいです。チーズ単体だとちょっと酸味が強すぎる、という場合は味噌を加えたり、かまぼこなどの練り物に乗せて食べてみましょう。また、魚の上に乗せて軽くあぶってみても美味しいです。さらに、おかきの上に乗せてチーズだけ熱を加えるという凝った料理方法もあるんですよ。

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