エリザベス女王が愛するチーズ スティルトン

スティルトン

スティルトンのイメージ

イギリスを代表するアオカビタイプのチーズ。

スティルトンはフランスのロックフォール、イタリアのゴルゴンゾーラと並んで世界三大ブルーチーズといわれています。女王エリザベス二世の大好物としても知られているこのチーズは、ハンティンドンシャー州にある町「スティルトン」がふるさと。この町にある旅館が18世紀末に売り出したという記録が残っています。しかし、当時も現在も実際の生産地はもう少し北のダービシャー、レスターシャー、ノッティンガムシャーの3県。しかも今はEUで定められた原産地名称保護制度によって、この3つの地域で作られたものしかスティルトンとは認められません。実はチーズの名前となったスティルトンはこの3つの県のどこにも属していないので、今ではスティルトンを作ることができないのです。

アオカビを混入しないタイプもある!?

ブルースティルトンと名乗るには、以下の基準を満たしていないといけません。

  • ・上記した3つの地域でつくられていること、原料は地元産で低温殺菌された生乳に限る。
  • ・伝統的な円筒形であること(直径が20センチもあるそうです)
  • ・それ自身の外皮もしくは外殻を形成すること
  • ・圧縮はしていないこと
  • ・中心から放射状に出る繊細な青い縞模様を持っていること
  • ・「スティルトンに特有な味の特性」を持っていること

この中で青い縞模様はステンレスの針でチーズを貫き通すことで中心部に空気が入ってできるのだそうです。また、スティルトンの外皮は熟成過程で自然にできるため、食べることができます。かつては全乳に生クリームを加えたものを原料としていたため、脂肪分が65%~75%もあったそうですが、今作られているものは45%~55%とほかのチーズと変わりありません。
ところでスティルトンの前に「ブルー」がついているのでしょうか。それはごくわずかですがアオカビを混入しないフレッシュタイプのチーズ「ホワイトスティルトン」が製造されているのです。これはどちらかといえばデザート向きで、ベリーなどの果物を混ぜ込んだ商品が日本でも発売されています。

クリスマスにはスティルトンを

イギリスではかつて銀のポットにスティルトンを入れてクリスマスプディングと一緒に送る風習がありました。クリスマスのデザートチーズにどうぞ、という意味なのだそうですが、スティルトンはアオカビチーズ独特のピリッとした刺激に、塩味が強めの味。日本人の感覚では「え、これをデザートに?」と思う方も多いでしょう。そんなスティルトンの美味しい食べ方は、クラッカーやパンに乗せてワインとともに楽しむことです。一般的にチーズは生産された土地のワインと合わせると美味しいといわれていますが、スティルトンはポルトガル産のポルト・ワインと合わせるのが最高だそうです。また、ヨーグルトと合わせてサラダドレッシングにすると、スティルトンの風味や味が苦手な人でも美味しくいただけます。かける野菜はセロリやブロッコリーなどちょっとクセのある野菜のほうがスティルトンの風味に負けません。また、ビーフステーキの上にスティルトンと玉ねぎを乗せ、熱で溶けたチーズをステーキにからめながら食べても美味しいですよ。
一回で食べきることができなかったら、乾燥を防ぐためにラップで表面を覆ってタッパーなどの密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管しましょう。また、この状態で3か月くらいは冷凍保存が可能ですが、やはり早めに食べきるのが一番です。