日本のチーズの歴史
飛鳥時代から食べられていた?意外に古い日本のチーズの歴史
日本人の生活にいつからチーズは入ってきたのでしょうか。明治時代、それとも戦後? 実はその始まりは、飛鳥時代にまでさかなぼります。意外な事ですが、日本人とチーズのかかわりはとても古いんです。
日本最古のチーズ「蘇」そして「醍醐」へ
日本で最初に作られたチーズは「蘇」といいます。延喜式の中にも製造方法が記録され、飛鳥時代に乳院寮という機関で製造されていました。製法は牛乳をひたすら煮詰めていくという単純なもの。超高級食材として、神様にささげたり、薬として用いられたりして、口にできるのは天皇や貴族だけでした。そして、蘇を発酵させたものが醍醐。これはバターのようなもの、という説もありますが「蘇を熟成させて熟蘇を作り、熟蘇から醍醐を作る」という記録が残されていることから、チーズの説が濃厚です。モンゴルのシャルトスという乳製品に味がよく似ているそうですが、動物性たんぱく質の旨みは、食物が乏しい時代にさぞおいしかったことでしょう。しかし、その後政権が武家に移るにつれ、牛は乳を搾るより農耕や軍役に利用されるようになり、蘇や醍醐作りは行われなくなっていきます。
日本最古のチーズ「蘇」そして「醍醐」へ
さて、長らく製法が途絶えていたチーズですが、江戸時代、八代将軍吉宗の頃にインドから乳牛3頭が贈られたので、牧場で飼育し白牛酪という乳製品を作ったという記録があ.ります。この白牛酪、作り方は蘇と同じ。久しぶりにチーズを口にしたのがあの暴れん坊将軍だったなんて面白いですね。さらに11代将軍家斉の頃になるとオランダからチーズを輸入し始めます。この将軍は側室が40人に子供が55人もいるのですが、それはチーズのおかげだったのかもしれません。明治時代になると今はお菓子で有名なトラピスト修道院で細々とチーズの生産が始まり、大正時代になると工場も作られました。プロセスチーズの製造は昭和7年に始まりますが、当時の日本人の口には合わなかったようで、残念ながら普及はしませんでした。
チーズケーキブーム来る。そして現代へ
日本人が再びチーズに親しむようになったのは1970年代。きっかけはチーズケーキでした。爆発的なチーズケーキブームが起こり、女性誌が相次いで特集を組んだのです。ケーキ屋さんは様々な種類のチーズケーキを作り、女の子たちはそれを買い求め、チーズの味に馴染んでいったのです。これでようやく一般庶民にチーズが普及したわけですが、お菓子を通じてチーズに親しむようになった民族というのはかなり珍しいかも。そして続いてやってきたのは1980年代のボージョレヌーボーブームにイタ飯ブーム、ティラミスブームです。これで一気に様々な種類のチーズが日本で広く受け入れられるようになりました。今では、デパートにはチーズコーナーがありフレッシュタイプから熟成タイプまで何種類ものチーズが並んでいます。また、おなじみのスライスチーズや6Pチーズも種類が豊富になりました。
くるか、手作りチーズ人気
そして、次にブームになるかもしれないのが「手作りチーズ」。 チーズは決して安くはありません。それにここ数年でスライスチーズなども値上がりしました。それなら自分で作ってみよう、という人がクリームチーズやモッツァレラチーズなどを手作りし、レシピをネット上で公開しているのです。また、手作りチーズキットなどという商品も売られています。もしかしたら、これからフレッシュチーズは手作りが当たり前という時代になるかもしれませんね。
